お盆のお供えのお膳の仕方はどうしたら良い?
公開日: : 最終更新日:2019/06/24
お盆になると、ご先祖様や故人を供養するために、帰省したりお墓参りに行って、仏様にお供え物をしますよね。
お盆の日にちは地域によって異なりますが、大体の地域が8月13日~16日くらいまでをお盆としています。
でも、「お盆だから」と毎年何気なくお参りしていませんか?
お盆にそのようなことをするには、もちろん、ちゃんと意味があります!
一年に一度、お盆のときにだけ自宅に還って来られるご先祖様に失礼のないように、きちんとしたマナーでお迎えしましょう。
今回は、そんなお盆のお供えについて、お膳のマナーをまとめてみました。
目次
お盆のお供えのお膳の仕方はどうしたら良い?
お供えのお膳の意味
お盆になると、仏壇があるお宅ではお膳をお供えしますよね。
正式には「霊供膳:りょうぐぜん」「御霊供膳:おりくぜん」と言います。
お盆のお膳とは本来、お墓までご先祖様を迎えに行き(これがお墓参り)、その還って来たご先祖様をおもてなしするためのお料理なのです。
ご先祖様が安らかに成仏できるように供養の意味を込めて、家族もお供えするものと同じものを食べるのが一般的です。
本来なら8月13日~16日までの間一日三食お供えするものですが一日一回に省略する場合もあります。
しかし、お盆の間毎日では負担も大きいので最低1日だけでもお膳でお供えするようにしましょう。
そもそも、お盆の時期には殺生を禁じられているので、昔はみんなお盆の時期には精進料理を食べました。
現在では堅苦しく考えず、ちょっとした「お客様」が来られると考えておもてなしをすれば十分とされています。
お供えのお膳の仕方
お膳は、基本的には精進料理とし、「一汁三菜」が一般的とされています。
ちなみにお葬式やお通夜などでは「一汁五菜」がふるまわれますが、こちらについても地域差があるようです。
精進料理とは仏教の戒律「不殺生戒」に基づいており、動物性の食材とネギ科(ネギ、にんにく、にら、たまねぎ、らっきょう)に属する食材を除いた料理を指しています。
一般的には野菜や海藻、豆類などを加熱調理したものをお供えします。
地域によってはお菓子やフルーツ、団子やそうめんなどをお供えするところもあるそうです。
基本的には精進料理とされていますが、形式にとらわれすぎて故人を供養する気持ちを忘れてしまっては寂しいですね。
あまり深く考えすぎず、「故人が生前好きだったものを食べていただく」という気持ちでお供えすると良いかもしれませんね。
また、配膳の並べ方にも決まりがありますから以下の写真を参考にしてください。
あくまでもご先祖様が召し上がるためにお供えするものなので、お箸は仏壇側(一番奥)に置くのがマナーです。
ただし宗派により並べ方の違いがありますから事前に確認しておいた方がいいでしょう。
①親椀(ご飯)
②汁椀(お吸い物・味噌汁)
③腰高(香のもの・漬物)
④平椀(煮物)
⑤壷椀(煮物・和え物)
⑥箸(仏壇の方へ置く)
⑦仏膳(これに全てを乗せる)
こういった食器セットはお仏壇を購入するときなどに一緒に用意することが多いと思います。
必ず蓋がついているのですが、お料理を入れますし、我が家では蓋は使ったことがありません。お料理を入れたら、蓋ははずしたままで大丈夫です。
そして、小さなお椀ですので、具は小さくカットして、なるべくたくさんの具を色々入れてあげるようにしましょう。
お盆のお供えのお膳の礼儀作法は?
いくらお膳をお供えしても、仏壇がホコリだらけではご先祖様が気持ち良くお食事できませんよね。
ですのでまずは、お盆前にきちんと仏壇の掃除をしておきましょう。
そしてお盆になったら、ご先祖様が道に迷うことなく還って来られるように、ロウソクに火を灯してあげましょう。
お料理だけではなく、お花や、頂いたお供え物なども仏壇にお供えするのがマナーです。頂いたお供え物が食べ物の場合は、すぐに食べられる状態にしてからお供えするようにしてくださいね。
前項で『お膳(お料理)は家族と同じものを』とお話しましたが、家族が食べ終わったら、お供え膳も下げるようにしてください。
いつまでもお供えしておくのではなく、家族と一緒に食事をすることが大切なのです。
お盆のお供えのお膳の作り方は?
【御霊具膳(お膳)はいつ使用するの?:お仏壇ちゃんねる】
前記したように、基本的には生前好きだったものを中心に、家族と同じものを少しずつそれぞれの椀に盛り付けてお供えします。
しかし、何を作っていいのか困ってしまいますよね。ここでは、一般的なお膳の作り方についてお話していきたいと思います。
お膳は精進料理
- 親椀には…ご飯を丸くなるようによそいます
- 汁椀には…しっかりと出汁をとった味噌汁やお吸い物を。具は、豆腐・油揚げ・ネギ・ワカメなど一般的なものでOKです
- 腰高には…お新香やお漬物類(たくあん・ぬか漬け・梅干等)を。※数は原則2切れです!
- 平椀には…肉は入れずに、高野豆腐やコンニャクなどを使った煮物を。具は、筍・椎茸・にんじん・レンコンなどが一般的なようです
- 壷椀には…酢の物や和え物、煮豆などを小さい山型に盛り付けます ※煮豆は崩れやすいので注意!
お盆のお供えのお膳の伝統は?
お盆は、たくさんの親戚が集まる時期だと思います。
「みんながお休みで帰省時期だから」という感覚で帰省していた方も多くいらっしゃると思いますが、本来の意味は『故人を供養するために集まっている』のです。
親族が元気に集まり、故人の思い出話に花を咲かせながら故人と同じ食事をする。
これが、昔から日本に伝えられてきた本来の『お盆=正式名称:盂蘭盆会(うらぼんえ)』というものなのです。
仏壇にお膳を上げるのはどんな日?
地域差はありますが、一般的にお盆は8月13日~16日とされています。
昔はお盆の間中毎日3食お膳をお供えしていたようですが、今はそこまでやっているご家庭も少ないと思います。
お盆は親戚が集まる時期でもありますので、お盆の間のどこか1日だけ、お膳をお供えしましょう。
昔のお盆期間中の大体の予定は以下のようになります。
8月13日~16日の予定
- 8月13日…お墓参りをし、ご先祖様の魂をお迎えに行く。
- 8月14日、15日…お膳を3食用意する。お経を上げる。
- 8月16日…お墓にご先祖様の魂をお送りする。
といった流れになっているようですが、これ通りでなくても、そのご家庭の予定に合わせて、ゆっくりと還って来た故人様と過ごして頂ければ問題ないでしょう。
最後に
意外と知られていない、お盆のお供えのお膳についてのマナーでした。昔から伝えられていることを引き継ぐって、大切ですが難しいですよね。
お盆は、亡くなった方と過ごす大切な日。また、親戚が集まる日でもあります。
つまり、親族みんなが繋がる大切な日なのです。
マナーや形式はもちろん大切なことかもしれませんが、最も大切な『故人を想い、供養する気持ち』を忘れてはいけません。
昔の人は、その気持ちが前提にあったからこそ、ここまで故人を大切にするしきたりを考えられたのではないでしょうか?
今の人達に伝わるべきものは、マナーではなく気持ちです。
せっかく懐かしい顔ぶれが揃う日なのですから、マナーに囚われて頭でっかちになるのではなく、故人との思い出話を楽しむお盆にして頂きたいと思います。