お月見の由来!子どもとお月見どろぼうとは?
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日本では古くから、夜空にひときわ輝くお月さまに親しみをもってきました。表面の模様をウサギの餅つきする様子に見立てたりして、愛でてきたのです。
そんな親しみ深いお月さまですが日本にはお月さまに因んだ行事が沢山あります。その中でも最も広まっているのは「お月見」ではないでしょうか?
今までは何気なく過ごしてきたお月見ですが、今年は同じことをするならちゃんと意味が分かってやった方が良いと思いお月見を調べていたのですが、調べていくうちに子どもが行う「お月見をどろぼう」というものが出てきました。
しかし、お月見どろぼうって面白い言葉ですよね。お月見をどろぼうすることなんて出来るのでしょうか?
このお月見どろぼうについてしっかりと理解するには、本来のお月見の由来を知っておく事が欠かせません。非常に関連性のあるものですから。
そこで、最初に簡単にお月見の基本情報を見ておきましょう!
お月見とは?
本題に入る前にそもそもお月見とは何なのかを書きますね。
お月見とは、旧暦の8月15日に月を鑑賞する行事で、この日の月は以下のように呼ばれています。
- 中秋の名月
- 十五夜
- 芋名月
また、旧暦の9月13日にもお月見があります。十三夜と呼ばれていますが、やはりメインは十五夜の月となります。きれいな月をながめて楽しむ日ということなのです。
月見の日には以下のものなどをお供えして月を眺める行事を行います。
- お団子
- お餅
- ススキ
- サトイモ
この中で有名なのはお月見団子だと思います。
春のお花見と似ていて、月を愛でながらお酒を飲んだり、食べ物を食べたりする日であることは間違いありません。
秋に収穫された作物やススキ、お酒、お団子などをお供えして月を鑑賞するというのがいわゆる「お月見」とされます。
今と違って電気が通っていない昔は、満月で夜が明るいというだけでも特別な思いがしたのでしょう。
あまり空を見上げることがなくなった現代人も、たまには月あかりを楽しんで、ゆったり過ごす贅沢を味わいませんか?
お月見団子を手作りするのもいいかもしれません。私は一人でこっそり食べようかなと思います。月ってなんだか密やかな感じがしますから。
静かな秋の夜を楽しみましょう。
お月見の由来
お月見の由来である上述のものなどをお供えして眺める『お月見』の風習は、さかのぼれば中国からの影響があったようです。
そもそもなぜ秋なのかというと、サトイモの収穫祭が由来であるという説が有力になっています。
唐の時代から、その晩の満月を鑑賞するようになり、宋のころには身分関係なしに夜遅くまで騒いでいたという記録が残っています。
日本の貴族社会にそれが伝わり、平安時代には定着していました。とはいっても庶民とは縁のない、うたを詠んだり管絃や酒を楽しむ宮中の行事で、供え物の習慣もありませんでした。現在のようなスタイルに近づいたのは江戸時代からのことです。
時間をかけて民衆のあいだでおこなわれていた稲の豊作祈願やサトイモの収穫祭の行事にとけこんでいったのです。
ススキをお供えするのは稲穂のかわり。お団子をお供えするのはお月さまに見立てて。サトイモをお供えするのはサトイモの収穫時期だからというのが有力な説になっています。
また、お月見で供えたススキは魔よけとなり、家の軒先につるせば1年間家族が無病息災でいられる言われています。
お月見どろぼうとは?
戦前から昭和中期にかけて、お月見どろぼうという風習が広まっていました。現在でも、関東地方、近畿地方などに、多く残っているようです。子どもたちは月からの使者として、ご近所の家からお月見のお供えであるお団子やお菓子をそうっと盗っていくのです。
山間部の農村では昔、十五夜の晩だけ、よその畑からイモをどれだけ盗っても赦されたのだそうです。
江戸時代の記録によると、十五夜には芋煮を食べる習慣があったことですし、自然の与えてくれた収穫に感謝して、みんなで分かち合おうとする意味もあったのかもしれませんね。
転じて、お月見のお供えを盗られたら翌年は豊作になるという縁起かつぎの内容になりました。
今では各家がお菓子を用意して盗まれやすい縁側などにおいておき周辺の子どもが盗りやすいようにしています。
なんだかまるでハロウィンに子どもたちがお菓子をもらいに「トリックオアトリート!」と言って、各家庭を回るのと同じようなものですね。^^
今の都会ではハロウィンは知っていてもお月見どろぼうを知っている人は少ないでしょう。
お月見の日にち
お月見がおこなわれるのは満月になる旧暦の8月15日、十五夜です。旧暦(太陰太陽暦)は月の運行によってカレンダーが作られます。
中秋の名月とも言われますが、旧暦では8月が秋の真ん中にあたるので、8月15日の夜の月という意味です。
因みに、似た言葉に仲秋の名月というものがありますが、仲秋とは旧暦8月の1ヶ月間をさすので、中秋である1日だけのものとは異なります。
また、日本独自のものとして8月15日だけでなく9月13日にも月見をする風習があり、こちらは以下のように呼ばれています。
- 十三夜
- 後の月
- 栗名月
十三夜には、月見団子の他に栗や枝豆をお供えして月見をします。そして日本各地には「十五夜をしたなら、必ず十三夜もしなければいけない」という言葉が伝えられており、片方だけの月見を嫌う風習があったようです。
この旧暦の8月15日と9月13日ですが新暦(現在の暦)になおすと素直に9月15日、10月13日にはなりません。
月の満ち欠けで決める旧暦と現在の太陽暦とは全く関係が無いからです。なので中秋の名月は9月15日とは決まっておらず毎年変わります。同じく後の月の日にちも毎年変わります。
それが下の表です。
年 | 中秋の名月(旧暦8月15日)十五夜 | 後の月(旧暦9月13日)十三夜 |
---|---|---|
2014年 | 9月8日 | 10月6日 |
2015年 | 9月27日 | 10月25日 |
2016年 | 9月15日 | 10月13日 |
2017年 | 10月4日 | 11月1日 |
2018年 | 9月24日 | 10月21日 |
2019年 | 9月13日 | 10月11日 |
2020年 | 10月1日 | 10月29日 |
また、意外なことに中秋の名月が必ず満月とはかぎりません。ここ数年の中秋の名月の日と満月の日を表にしてみました。
下の表がそれになります。
年 | 中秋の名月(旧暦8月15日) | 満月の日 |
---|---|---|
2014年 | 9月8日 | 9月9日 |
2015年 | 9月27日 | 9月28日 |
2016年 | 9月15日 | 9月17日 |
2017年 | 10月4日 | 10月6日 |
2018年 | 9月24日 | 9月25日 |
2019年 | 9月13日 | 9月14日 |
2020年 | 10月1日 | 10月2日 |
まとめ
今回調べて分かった事を下記にまとめてみました。
- お月見とは旧暦8月15日に中秋の名月を鑑賞する行事である
- お月見の日には以下のものなどをお供えした
- お団子
- お餅
- ススキ
- サトイモ
- お月見の由来は中国で行われていたサトイモの収穫祭という説が有力
- お月見どろぼうとは子供がよそのうちのお供えである団子やお菓子を盗ること
- お月見どろぼうは来年の収穫の縁起かつぎであった
- お月見の日にちは毎年変わる
- お月見は満月にするとは限らない
いやー、ちゃんと意味を分かってするのと知らずにするのとは大きく違うなと思いました。
調べる前までは「お月見」と「中秋の名月」、「十五夜」の関係さえ知らなかったですし、「十三夜」や「お月見どろぼう」のことなんて聞いたことも無かったですからね。^^;
調べてみるものです。また1つお利口になった気分の管理人でした。^^
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