十五夜にススキ!なぜお供えするのか?その意味は?
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十五夜のお月見は、昔から親しまれてきた秋の行事ですね。でも、正式なかたちで伝統的なお月見をしている家庭は減ってきているようです。
すぐ近所に空き地や川原があって、野原があって、ススキが簡単に手に入っていた時代とも移り変わってきました。
今回はお月見行事と切り離せないススキについて、調べてみました。
では、そもそもなぜ十五夜にススキをお供えするのでしょうか?その意味は・・・?!
十五夜になぜススキなのか?
秋には色鮮やかな花も多く咲きます。なぜ地味なススキを月見に供えるのでしょうか?
それは、お月見をする意味につながっています。
もともとは秋の収穫を神様に感謝し、また来年の豊穣を祈念するために行われていたのです。
ススキは稲穂によく似ていますよね。十五夜の時期は、稲刈りを過ぎていますので、稲穂を供える代わりにススキを用いました。
それから、月の神様(月読命/つくよみのみこと)はススキを依り代として降臨する、とされていました。ススキは茎の内部が空洞であるため、神様が宿る場所と考えられていたからです。
このことから、お月見のススキには災いなどから収穫物を守り、次の年の豊作を願うという意味があるといわれています。
神様の依り代であるため、正式にはお月見に供えるススキは1本です。
最近は天然モノのススキを手に入れることが難しいこともあり、お月見のシーズンになると、花屋さんでススキを買うことができます。ただ、何日も日持ちはしないので、お月見の前日か当日に購入することをお勧めします。
ちなみに月見団子はサトイモに似せられています。十五夜は別名「芋名月」という名前です。
地域によっては、サトイモやさつまいもをお供えするところがあります。
秋の収穫物であるサトイモをお供えしていたという説があり、その名残で月見団子はサトイモに似せられているのでしょう。
では、ススキを供える本数は分かりましたが供え方はどうなのでしょうか?
ススキの供えかた
お月見のイラストなどでは、日本古来の神具のひとつ三方(さんぽう)に月見団子を積んで、その横にススキをとっくりのような形の花瓶に入れて立てているイメージがありますね。
ススキの供え方に決まりはないそうです。
1本が寂しいので複数立てることもありますし、やはり寂しいので秋の七草から花を選んで一緒に生けたり、丸い月に見立てたポンポン咲きの菊やダリアを添えるのも可愛らしいです。秋を演出するのに紅葉の枝を一緒に飾ることもあるようですよ。
ススキは背が高いので、こぶりのものを選んで短くしたり、重心を低くして安定感を出すなど、工夫するのも楽しいです。
切り口が尖りますので、怪我をしないように気をつけましょう。その鋭さが魔よけになるとされ、お月見に供えたススキを家の軒下につるして1年間、家内安全を願う風習も残っています。
ススキ
尾花、茅(かや)はススキのことで、茅葺き屋根(かやぶきやね)はススキが材料です。藁(わら)はススキのほかに稲や小麦など、稲科の茎を乾燥させたものを指しますので、藁葺き屋根というと広義になります。
家畜の飼料にもなり、餌を置くところを茅場とも呼びます。
都会では、ススキを栽培してみたかったり、種をまいてみようとされるかたもいらっしゃいますね。
地方になると、まだまだススキは普通に空き地で見られますし、油断していると家の庭にも生えてきます。根が頑丈で、抜かないと翌年も生えてきたり、放置すると群生していきます。種も飛びますので、住宅地では迷惑がられることもあるようです。
これで、十五夜とススキの関係は分かりましたよね。では、十五夜はいつなのでしょうか?
2019年の十五夜っていつなの?
お月見する十五夜は旧暦の8月15日です。日本の暦に照らせば今年(2019年)は9月13日(金曜日)になりますが、満月ではありません。
13日の月の形はこんな感じです。
今年はほぼ満月ですけどね ^^;
十五夜といえば中秋の名月が代名詞ですよね。満月にこだわるのであれば、現在の日本の暦では9月7日から10月8日までの満月の日とされていますので、9月14日の満月の晩にお月見しても良いことになります。
暦を作成する時の計算方法が違うため、日付をあてはめた時に、このようなズレが生じてしまいます。
まとめ
まとめると以下です。
- 十五夜にススキをお供えするのは秋の収穫を神様に感謝し、また来年の豊穣を祈念するため
- お供えするススキの本数は正式には1本だが現代はそれに囚われていない
- ススキの供え方に決まりはない
- 今年(2019年)の十五夜は9月13日
ススキ豆知識、いかがでしたか?
満月とススキは郷愁を誘う風情ですが、一緒に写真におさめようとすると、なかなか大変なようです。
ネットで見られる画像は合成によることが多いみたいですね。