お盆に海水浴!クラゲだらけってホント?
公開日: : 最終更新日:2018/12/23
お盆休みにどこに行こうか悩んでいるお父さん。会社の同僚に相談することもありますよね。すると会社の同僚にこんなことを言われた事はないですか?
知らないって無責任な同僚ですね。(笑)
でも同僚さんの言うとおり本当にお盆休みはクラゲが出て来て危なくて海水浴場で泳ぐことが出来ないのでしょうか?
今回はお盆に海水浴に行きたいと思っているお父さんの為にお盆とクラゲの関係について調べてみました。
目次
クラゲはなぜお盆に大量発生するのか?
クラゲがお盆頃に大量発生するという話しは当たってもいるし外れてもいます。微妙な言い回しなので紛らわしいですね。
日本でよく見かけるクラゲの名前をご存知ですか?
それは、主にミズクラゲ、アンドンクラゲ、アカクラゲ、カツオノエボシの四つです。
これらのクラゲがお盆によく私たちの前に現れます。でも実は、お盆前にも海にひそんでいるのです。ただ小さくて目立たないだけです。
それでは、クラゲがどうやって成長するのか説明します。
クラゲの成長過程は、まず卵の状態の「ポリヌラ期」。
次は「ポリプ期」と言います。これは幼体の時期です。幼体のポリプ期から成体へと変わる時期がお盆の時期なのです。
クラゲは6月下旬くらいまではイソギンチャクのように岩場などに張り付いています。その状態を『ポリプ』と言います。
その時期を過ぎると岩場から遊離して、9月までの3カ月の間に最大サイズまで成長するわけです。
このお盆の時期にクラゲたちは海中から一気に上のほうに上がってきます。
また、お盆から10月頃はクラゲにとって最適な温度(大体20℃から30℃) なのです。 この間、クラゲたちはどんどん栄養を蓄え成長していきます。
なので大量発生するというよりも大量発見するというのが正しいかも知れません。(笑)
そして、もう一つの理由に波の影響があります。土用波と言う波があるのですが、この波は7月下旬~8月上旬に発生する波のことです。この波の強さで、クラゲが流れてきます。
ではその頃になると海水浴はしない方が良いのでしょうか?またしない方が良いとすると、なぜしない方が良いのでしょうか?
クラゲが出るお盆過ぎは海水浴をするにはよくない?
クラゲが大量に目につくようになるお盆頃には海に入らない方が良いのでしょうか?
答えは『イエス!』です。
ではなぜ入らない方が良いのでしょうか?
答えは簡単、刺されるからです。クラゲは刺胞(しほう)動物です。刺胞動物の刺胞とは毒針の事です。
クラゲは獲物をとる時や自身を守る時、自身の縄張りに入ってきた生き物などをこの毒針で刺します。当然狙われるものの中には人も入っているわけです。まさか獲物とは思っていないでしょうが…。^^;
クラゲは往々にして集団で浮遊しています。なのでその中に入ると大変危険なわけです。
クラゲの毒は、スズメ蜂と同じで、『アナフィラキシー反応』が発生することがあります。これは、一度刺されると体に抗体が出来て、二度目に刺されたときに、その抗体によって、直後に激しいアレルギー反応が発生するというものです。
個人差があり、問題ない人もいると思いますが、後述する『カツオノエボシ』などの毒性の強いものに刺された経験がある人は、2度目に刺されるとショックで呼吸困難になり、パニックとなって溺れ死ぬ可能性もないとはいえないのです。
クラゲはそれほど危険をもった恐ろし生き物なんですね。ただ死ぬほどの強い毒性を持ったクラゲは極一部です。大概はチョット痒かったり、痛かったりする程度です。
クラゲに刺されないためには?
クラゲに刺されない為の方法は幾つかあります。
・日焼け止め・クラゲ除けローションというものが売ってあります。これをつけるとクラゲに刺され難くなります。
・海水浴場によってはクラゲ避けの網を張っていてくれる所もあるので訊いてみましょう。
・ボディースーツを着ているとまずもって刺されません。顔は別ですが…。^^;
・1番確実で簡単な方法は海に行かずにプールに行くことです。(笑) お盆頃になったら海水浴場には行かず、波のあるプールに行きましょう。(´・ω・`)
それでも刺された場合はどうすればよいのでしょうか?
クラゲに刺された時の応急処置
クラゲに刺された時はタオルかピンセットのようなもので刺胞を抜きましょう。これが毒そのものなので抜かないといけませんし、素手で抜こうとするとその手まで毒に犯されてしまうのでご法度です。
抜いたあとは海水でよく洗い流しましょう。この時に真水を使うのはよくありません。残っている刺胞が発射され痛みが増します。
その後は砂浜の砂で患部を熱くると痛みは引きます。また、水分のない保冷剤などで冷やすのも良いでしょう。
特に痛いようであれば迷わず病院にいきましょう。
なお、ハブクラゲに刺されたら食酢をたっぷりかけてから触手を取り除き痛みがあれば氷や冷水で冷やすといった応急処置が必要となりますが、同じことをカツオノエボシなどでしてはイケません。
ややこしので酢を使うのは止めた方がいいです。分かりましたか?
ところで、クラゲって不思議な生き物ですよね。生物学上、どんな種類になるんでしょう?
クラゲとは?
クラゲとはどういう生き物なのでしょうか?透明で海の中をフワフワ漂ってる生き物っていうイメージですよね。しかも陸地に上げると蒸発するのか何にも無くなって消えてしまいます。水みたいなものなのかも。ココらへんは素人でも思い当たるところ。本当のところはどうなのでしょうか?
Wikipediaによると
クラゲ(水母、海月、水月)は、刺胞動物門に属する動物のうち、淡水または海水中に生息し浮遊生活をする種の総称。体がゼラチン質で、普通は触手を持って捕食生活をしている。また、それに似たものもそう呼ぶこともある。
らしいです。
クラゲはからだの約95%が水分できていて、考える脳がない、プランクトン(1m以上のクラゲもプランクトン)らしいです。脳がないって何が楽しくて生きているんでしょうか?将来の夢とかないのでしょうか?(笑)
しかもあんなにデカい図体をしていてプランクトンなんですね。
注意するべきクラゲの種類
日本の海水浴場付近で浮遊している注意するべきクラゲは下記の6種類です。
- ミズクラゲ
- アンドンクラゲ
- アカクラゲ
- カツオノエボシ
- カギノテクラゲ
- ハブクラゲ
この中には数は少ないが非常に危険なものもいますし、数は多いけど大したことのないものもいます。それぞれどんな特徴があるのかみていきましょう。
ミズクラゲ
ミズクラゲは日本近海でも最も普通に観察できるクラゲです。傘に透けて見える胃腔、生殖腺が4つあることから、ヨツメクラゲとも呼ばれています。
普通は直径10~20cmほどですがあるが、大きいものになると直系30cm以上にもなるものもあります。
冬から夏までの間にきわめて普通によくみられ、太平洋、大西洋、インド洋、そのほか世界の温帯海域に広く分布しています。
ミズクラゲは多少の毒性はありますが、殆どが無害です。ちょっとチクっとする程度です。
アンドンクラゲ
このアンドンクラゲが曲者でして、「お盆にはクラゲが出て泳げないよ」というクラゲはこのアンドンクラゲを指しています。
アンドンクラゲは本州で『電気クラゲ』とか『イラ』と呼ばれ、北海道で『タコテレレン』と呼ばれるクラゲです。
熱帯太平洋から北上し,8~9月に日本各地に出現します。
かさは高さ3~3.5cm,幅2.5~3cmの立方形をしていて、寒天質は薄く,表面に多くの刺細胞があります。4本の淡紅色の触手があり,6cm以上にものびます。
アンドンクラゲは日中は強い日光を避けて深く潜っており,曇り日や夕方から朝方にかけて表面近くを遊泳してきます。
刺されると、電気が走ったようにビリッとして、ミミズ腫れになります。だから電気クラゲと言うんですね。しばらく跡が残ることもあるので気を付けましょう。大群で泳いでいる事が多いです。
アカクラゲ
アカクラゲは日本近海の北海道以南に広く分布し浮遊しています。放射状の褐色の縞模様が16本走った直径9-15cmほどの傘と、各8分画から5-7本ずつ、合計で40-56本伸びる長さ2m以上の触手を持っています。
アカクラゲは毒性が強く危険なクラゲの1つです。見た目は名前の通り赤色でグロテスクですし、刺されるとかなり痛いです。浜に打ち上げられていたり、死んでいたりしても触るのはやめましょう。死んでいても毒は残っています。
このアカクラゲを乾燥させ粉末にして吸うとくしゃみが止まらなくなるので『ハクションクラゲ』とも呼ばれます。
カツオノエボシ
カツオノエボシは普通のクラゲと異なって、さまざまな個虫が集まって一つの群体をつくっています。
直径10センチメートルほどで、コバルト色の烏帽子形をしたビニル袋のような浮き袋(気胞体)があり、その下に長さ1Mにも達する多数の細長い触手が垂れ下がり、また口があって餌(えさ)をとる栄養個虫、さらに生殖細胞の生じる生殖体などがみられます。
熱帯から亜熱帯の海に多いいが、黒潮にのって北上し、それらが風波のために日本の沿岸にも打ち寄せることがあります。
このクラゲですが毒性はきわめて強く、海水浴でこれに触れると、やけどのような激しい痛みを受けます。そのため俗に『電気クラゲ』ともよばれています。
本州にいるクラゲの中では最も気をつけなければならないクラゲです。
カギノテクラゲ
カギノテクラゲは傘は皿状ないし半球状で直径1.5~2cm、傘縁に40~100本みられる触手はその先端近くで折れ曲がっており、そのためにこの名がついています。
日本の各地沿岸のほか世界に広く分布し、北海道沿岸にみられるキタカギノテクラゲは本種の1変種とされ多少小形ではありますが、強い刺胞毒をもっているクラゲです。
ハブクラゲ
ハブクラゲは沖縄や奄美に生息するクラゲです。
ハブクラゲは7月から9月にかけて一番被害が多くなります。触手に多数の刺胞を持っており物に触れるとここから毒針が飛び出します。
青みのある透明な体をしていて移動速度が速いため砂浜で被害が多発しています。刺されると激痛がはしり、ミミズ腫れになったり強いかゆみをもたらす。まれに呼吸困難を起こすこともあります。カツオノエボシと同様刺されると死亡することもあります。
まとめ
どうでしたか?お父さん。役に立ちましたでしょうか?
今回のお題であったお盆になるとクラゲが大量発生するのかどうかは、誤解を恐れず言えば「イエス」。
なのでお盆頃になったら海で泳ぐのは「ノー」。
もし刺されたら今回紹介したような応急処置をして病院に行って下さい。飲み薬と塗り薬をくれると思います。
楽しい海水浴です。そんな海水浴が台無しにならないように細心の注意を払って泳ぎに行って下さいね。
因みに砂浜で身体を焼くだけならクラゲには刺されませんのでおおいにして下さい。(笑)