富士山登山を日帰りで!プランは?初心者でも大丈夫?
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「ゴールデンルート」という言葉を最近よく聞きませんか?これは中国人をはじめとする外国人旅行者のメジャーな観光ルートのことで、成田から日本に入り、
東京周辺→箱根→富士山→名古屋→京都→大阪
と回って関空から帰国というのがお決まりのようです。
この話題を始めて聞いたとき「え?爆買いツアーのついでに富士山登るの?元気だなぁ」と勘違いして家族に笑われたついでに、富士山を登るにはどのくらいの時間が必要なのか調べてみました。
というのも、前から富士山に登ってみたいとは思っていたのですが、土日は半端ない混み方と聞くし、かといって平日にまとまった休みは取れないしで、具体的な計画が立てられずにいたからです。
もし日帰りで富士登山ができるのなら、平日に一日休暇をとれば良いので、現実感がぐっと増すではありませんか!
目次
富士山登山の日帰りプランは?
富士山の4つある登山道入り口から頂上までの標準的所要時間は
- 吉田ルート 登り6時間 下り3時間半 合計9時間半
- 富士宮ルート 登り5時間強 下り3時間半 合計8時間半強
- 御殿場ルート 登り8時間半 下り3時間半 合計11時間
- 須走ルート 登り7時間 下り3時間強 合計10時間強
と言われています。
そして、富士山の頂上をぐるりと回る「お鉢めぐり」の所要時間は1時間半です。
これだけ見ると「半日で行けるんだったら日帰りも全然オッケー」と思うかもしれません。
しかし日帰り登山(山小屋に泊まらない)の場合は高地に体を慣れさせる(高地順応)のために要所要所で小一時間程度の休憩を取らなければ高山病になります。
さらに、もう一つ頭に入れておいてほしいのが登山道の渋滞です。
ですから、上記の時間にプラス2~3時間といったところが日帰り登山に必要な平均的な時間だと思っておいた方がよいでしょう。
この所要時間でおおまかなタイムスケジュールを立てるとすると
1、ご来光を拝みたい場合
- 夜8時ころに五合目(新五合目)を出発
- 夜明け前に頂上到達
- 5時ごろご来光を拝む
- 6時ごろに下山開始→昼前頃五合目に戻る
2、昼間に登山をする場合
- 朝5時ごろ五合目を出発する
- 正午頃頂上に到着
- 午後1時ごろ下山開始
- 夕方7時ごろ五合目に戻る
だいたい上記の2パターンになります。ご来光目的か、昼間明るい時間の登山メインかの2択です。
日帰りの富士山登山は初心者でも大丈夫?
前章でご紹介した日帰り富士登山2パターンのうち、1のご来光目的の日帰り富士登山は、別名「弾丸登山」と言われています。
登りが夜間になるわけで、地元自治体である山梨県・静岡県共に「自粛してほしい」と呼びかけているプランです。
理由は明白、危険だからです。
時間がないから日帰り登山をしたいと思うのはやまやまですが、徹夜で真っ暗な高山を登るのですから危なくないわけがありません。
ましてや初心者が選ぶ登山方法ではありません。
では2の昼間の日帰り登山はどうでしょう?
体力に問題がないとして、一番心配なのが高山病です。これを防ぐためには途中で何度かの高地順応のための休憩を取るしか手がありません。
暗くなる前に五合目まで戻りたいと思うあまり急いで登ると、それだけ高山病になるリスクが増します。
こればかりは体力で補えないので、どうしても日帰りで富士登山をしたい人は、高地順応に詳しい指導者か経験者と一緒に登るようにしましょう。
初心者が日帰りでおすすめの富士登山ルートは?
昼間に日帰りで富士登山をするとしても、登山旅行自体は日帰りではできません。
出発は明け方ですし、前日の夜はキチンと休息と睡眠をとる必要があるので、徹夜で運転してそのまま登山などはあり得ない話です。
前の晩早い時間にふもとの駐車場に着いて車中で睡眠をとって明け方に出発という方法も考えられますが、初心者にはおすすめしません。
ですので、前の晩は五合目の山小屋に宿泊するのが一番です。
そうなると4つのルートのうち山小屋の数が一番多い吉田ルートが一番おすすめです。
行動食や水分が仕入れられる売店も充実していますし、温泉つきの施設もあります。
そして、マイカーで来た人は、できればその日は運転せずにもう一泊することをお勧めします。
【2009.8.29富士登山 山小屋からの風景①】
富士登山の時期や時間はいつが良い?
富士登山の時期
富士山の5合目から上の登山道は、開通期間以外は登山道の整備やトイレ、山小屋、売店の営業をしていません。
登山道開通期間のことを通称「山開き」といって、例年山開きの期間は7月上旬から9月上旬です。
ですから富士登山はこの山開き期間に行くのが普通です。
しかし、山開き直後は関東・東海地方は梅雨時期で天気が悪く、9月に入ると台風時期になってしまうので、梅雨が明けた7月下旬から8月の終わりくらいまでに計画を立てると良いでしょう。
また、開通期間中は富士山の五合目に通じる道路のほとんどにマイカー規制がしかれるので、マイカーで来た人は、ふもとの駐車場に車を停めてシャトルバスやシャトルタクシーで五合目まで行くことになりますので、それも計画に入れておきましょう。
富士登山の時間
一般的に富士登山ツアーなどでご来光を見るために計画されるタイムスケジュールは
- 午前中ゆっくりめに五合目を出発
- 八合目にある山小屋で仮眠
- 深夜に山小屋を出発
- 明け方頂上に到着→ご来光を拝む
- 早朝下山開始
- 昼前に五合目到着
が多くなっています。
これだと八合目で休憩がゆっくりとれて高地順応ができ、かつご来光も拝めるというプランですが、多くの人がこのスケジュールをとっているので、頂上付近でいわゆる「ご来光渋滞」に巻き込まれることもあります。
頂上からのご来光にこだわらないのであれば、あえてこの時間をはずして登山の途中でご来光を見て、日が昇りきってから頂上について景色を堪能するという選択肢もあります。
ただし、下山の時間を考えると、昼過ぎには下山を開始することをおススメします。
富士山の登山で注意すること
自然保護
富士山が世界遺産に指定されたことはみなさんご存知でしょうが、それ以前から富士山の五合目以上はすべて「国立公園特別保護地域」に指定されています。
この地域にある自然の物は、石ころ一つ、草一本とて持って帰ってはいけないことになっています。
ゴミを捨てないなどの当たり前のことに加えて、「何も足さない、何も引かない」を心がけましょう。
バッテリーを消耗させない
山開き中の富士山は携帯の電波(docomo、au、Softbank)が届きますが、必要なとき以外には電源を切っておきましょう。
というのも、山などの電波状態が悪いところでは、携帯は絶えず電波を探し続けるので、電波を捕まえやすい場所に比べてバッテリーの消耗が激しいのです。
富士山に限らず登山中は携帯の電源を入れっぱなしにしないのがデフォルトです。肝心な時にバッテリーが無い!では意味がありませんからね。
こうして調べてみて、結論からいうと、私は自分自身日帰りの富士登山は絶対にしないことにしました。他の人にもおすすめしません。
時間はそんなに取れないけれど、何が何でも富士山に登りたい人は、その情熱を時間を作る方に回した方が絶対に良いと思いますよ。
私もそうします。平日に連休が取れるチャンスがやってくるまで富士山には待っていてもらうことにします。富士山はいつもそこにいてくれるのですから。
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