虫歯は歯磨きで治る?デンタルケアの正しい知識!
公開日: : 最終更新日:2018/10/18
ある日突然、自分の歯に痛みが走るとドキッとしますよね。特に私は歯医者がとても苦手なので、「虫歯になったんだろうか?」と想像しただけで恐怖を感じます。そんな、「早期発見状態の虫歯」。
歯医者が苦手な私のうな人だけでなく、なかなか歯医者に行く時間がない人や、こんな小さな虫歯にお金を掛けるのが億劫だという人も少なくないと思います。果たして、軽度の虫歯は自分の歯磨きやケアなどで治すことができるのでしょうか?
目次
虫歯は歯磨きで治る?
結論から言うと、ズバリ出来ます。
ただし、軽度でほとんど進行していない虫歯のみです。虫歯の進行具合によっては、きちんと歯医者さんで治療をしないと完治できない虫歯がほとんどです。
ではなぜ歯磨きで虫歯は治ると言えるのか?それは正しい虫歯の知識と歯磨きの仕方を知っていれば、ある程度は虫歯の進行を抑えることができるからです。
歯磨きで虫歯を治すには、まず歯についた虫歯の原因であるプラーク(歯垢)を全て取り除く必要があります。
これはいつも行っているような単純な歯磨きだけでは難しく、歯間ブラシやデンタルフロスといった歯間の汚れを除去することに特化した製品を使用し、歯の隙間に入ったプラークなども丁寧に取り除いてあげるのがコツです。
さらに、最近よく耳にする”フッ素”は虫歯に大変効果的です。フッ素には歯を強く丈夫にする効果があり、歯に汚れが再付着するのを予防することもできます。
また、歯を守るだけでなく、歯茎などの歯の根元に病気がある人は、歯がしみるのを防ぐという効果も期待できるんです!
さて、そんな歯にいいフッ素ですが、どのように歯に使用するのでしょうか?
フッ素が配合されている歯磨き粉で歯磨きするだけでも良いですが、一番効果的なのは、歯磨きの後に、フッ素を歯に塗布する事です。
フッ素って自分で塗布できるの?と思って調べてみたところ、専用のジェルがあるみたいなので、気になる方はぜひ調べてみてくださいね!
また外出先や仕事先等でなかなか歯磨きが出来ない!という場合は、キシリトールのガムをかむだけでも、歯磨きに近い(虫歯の進行を遅らせる)効果が期待できるようです。
虫歯はどんな病気?
一口に「虫歯」といいますが、そもそも虫歯ってどんな病気なのでしょうか?
口の中に食べ物を入れると、その糖分によって歯の周りにプラーク(歯垢)がつきます。
すぐに綺麗にとってしまえば問題ありませんが、食後長時間歯磨きをせずに放置したり、また、歯を磨いたとしても磨き残しがあったりしてプラークがそのままになると、プラークに住みついている無数の菌が酸を発生させ、健康な歯をどんどん溶かしていきます。
これが虫歯です。
虫歯の程度にはいくつかあり、本人はほとんど痛みを感じない軽度の虫歯から、歯の神経まで蝕んで、最終的には歯を抜かなければいけない重度の虫歯まで様々です。
正しい歯の磨き方
毎日毎日きちんと歯を磨いていれば、そんな恐ろしい虫歯に出会うことはないのではないか?と思いますが、必ずしもそういうわけではありません。歯磨きは、「磨いた」という事実が大切なのではなく、その磨き方が非常に重要になります。
歯は大体綺麗なアーチ型になっていて、力を入れて横に一気に磨きがちです。しかしこのような磨き方ではほとんど汚れは落ちていなく、残った虫歯菌がどんどん歯を攻撃していってしまいます。
まず、歯ブラシの状態を見た時に、綺麗に縦に生えそろっている状態ではなく、使いこんで毛先が広がってやわらかくなってしまっているものはすぐに新しいものに買い替えて下さい。
やわらかい方がフィットしやすく使いやすいと思ってしまいますが、虫歯菌をやっつける為には効果的ではありません。
また、磨く際は、1本~2本ずつを丁寧に小刻みに磨いていき、歯と歯茎の間にもブラシをななめに差し込みしっかり磨くことを意識します。小さい歯や磨きにくい歯は、歯ブラシを縦にして使うと綺麗に磨けます。奥歯や歯の裏、歯の隙間などは、歯間ブラシなども駆使してしっかりプラークをこそげとりましょう。
歯磨き粉の種類
歯磨き粉は、種類によって入っている成分や目的がまったく異なります。自分の歯の状態に合った効果をしっかり見極め、歯磨き粉選びをすることも虫歯の予防には大変重要です。
フッ化ナトリウム
前述したフッ素が含まれたものです。虫歯の予防だけでなく、出来てしまった虫歯の進行を抑制する働きがあります。
サリチル酸メタル
歯肉炎などによる歯茎や歯肉の炎症を抑える働きがあります。
デキストラナーゼ
歯垢を分解し除去する働きがあります。
トラネキサム酸
歯周病などによる歯茎からの出血を抑える働きがあります。
イソプロピルメチルフェール
殺菌作用が強く、歯肉炎や虫歯などの予防に効果があります。
虫歯の治療って何をしてるの?
虫歯が出来て歯医者さんへ行くと、一般的には、虫歯になった部分をすべて除去し、必要に応じて薬を詰め、最後に削った部分へ樹脂や金属を詰めて固めます。
流れにすると簡単ですが、これは虫歯の進行状態によって治療の複雑さは全く異なります。歯のエナメル質部分にのみ虫歯が出来ている人の場合は、虫歯の除去の際にもまったく痛みを感じる事がなく、あっさりと治療は完了します。
問題は、象牙質部分や神経の部分まで虫歯が進行している場合です。こちらの場合、除去の際に痛みを感じたり、更には除去作業に麻酔が必要となる事もあります。
この一連の流れは歯医者さんでなければ取りかかることが出来ないので、冒頭に述べた「歯磨きで虫歯を治す方法」とは、「除去するべき虫歯部分」がまだない初期の状態だけという事になります。
今回、「軽度の虫歯は歯磨きで治療する事ができる」という事が分かりました。そのためには歯についたプラークを全て除去し、継続的に十分に予防をする事が大切で、その歯の磨き方にも非常に工夫が必要です。
「軽度」の判断は難しいところですが、歯医者さんでは当然「痛い治療」をするだけではなく、その程度に合った適切な処置をしてくれます。今回紹介した治療をするほどでもない軽度な症状の場合は、正しい歯の磨き方やケアの仕方を丁寧に教えてくれるでしょう。
「歯が痛いな」と思ったら、思い切ってまずは歯医者さんに相談してみるのが一番最善の方法です。