鈴虫とコオロギの鳴き声の違い!他にも違いが!
公開日: : 最終更新日:2018/10/28
あれ スズムシも なきだした りんりんりんりんりーんりん♪虫の声の一節ですが、最近は2番の歌詞にコオロギが入っているそうです。
へぇ?
秋の夜長の主役ともいえる鈴虫とコオロギの違いについて、調べてみました!まずは鳴き声から。
鈴虫とコオロギの鳴き声
夏の終わりとともに秋の訪れを感じさせてくれる虫の声ですが、同じバッタの仲間の鈴虫とコオロギを比べてみると、その鳴き声や特徴は大きく異なります。
鈴虫は古くから「鳴く虫の王」とよばれており、頭部は小さく翅は幅の広い瓜の種のような形をしています。
体が小さく天敵が多いため、体は黒く、白い部分と黒い部分を併せ持った長い触角で警戒しながら行動するところが特徴的です。
夜行性であるため昼間は草むらや石の下に隠れていて夜になると活動し始めます。
比較的温暖な本州、四国、九州に多く生息しており、飼育も容易で、エサはキュウリやナス、かぼちゃやサツマイモなどの野菜で賄えるため自宅で飼っている人は結構多いようです。
これに比べてコオロギは体長は10~40mmと鈴虫よりも大きく、体の色は茶色か黒色で円筒状の体をしています。
毛髪状の触角を持ち、おしりのところにも触角同様の性能を持つ毛が生えています。
夜行性という点では鈴虫と同じですが、後脚が大変発達しており、移動の手段として大きな跳躍ができるところは鈴虫と違うところです。
また、日本全国どこにでも生息していますが、その環境により生息している種類は異なると言われており、種類によっては雑食性で共食いをするコオロギもいます。
鈴虫もコオロギも鳴くのはオスだけで、どちらもメスに居場所を教えるためと言われていますが、それぞれ音の出し方には違いがあるのです。
鈴虫の鳴き声
鈴虫は、歌詞のとおり、りんりんりんりん……と聴こえるようです。
昆虫の分類としては、コオロギと同じバッタ目の虫ですが、複数種あるコオロギに対して鈴虫は一種しかいません。クマスズムシはコオロギの一種だったりします。ヒメスズ、ハマスズなども、名前にスズはついていますが鈴虫とは別の種類なのだそうです。
人の耳には心地よく聞こえる鈴虫の声ですが、オスがメスの関心を引き付けるために、右の翅を左の翅にこすりつけて音を出しているんです。また、鈴虫の鳴き声は特殊な周波数をしており、人の耳には聞こえても電話では聞こえないと言われています。
以下が鈴虫の鳴き声の音声です。
コオロギの鳴き声
コオロギの鳴き声は、りゅりゅりゅ、とか、人によってはコロコロコロ、と表現されるようです。
エンマコオロギ、ミツカドコオロギ、オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギが代表的な虫です。たくさん仲間がいて、鳴き声はそれぞれ違います。
ヤスリ状になった翅をすり合わせて音を出し、腹部内の共鳴室で音を大きくさせているのです。
以下がエンマコオロギの鳴き声の音声です。
鈴虫とコオロギはどう違うの?
どちらもオスが、メスに対しての求愛で鳴き声を響かせています。
夜行性ですが、曇りの日や気温が下がると昼夜を問わず鳴くようです。
周波数が高すぎて録音できなかったり、電話では鳴き声を伝えられないという特徴が推理ドラマのトリックに使われています。
鈴虫の形態
鈴虫は頭が小さく、体長は2センチ前後。オスは羽の付け根が重なっていて三角形の体に見えます。メスは羽が重なっておらず、尻尾みたいに卵管がのびています。
鈴虫は左右の前翅(ぜんし)を垂直に立てて左右に細かく振動させ、こすって音を出します。20度前後でよく鳴き、15度以下になると鳴かなくなります。
後ろの2枚の翅(はね)は普通、成虫になる前に抜けてしまい、鈴虫は地上を歩いて生活します。後ろの翅は昆虫にとっては飛ぶときに必要なのですが、鈴虫は後ろ足でジャンプして跳ねる=飛びます。
コオロギの形態
コオロギは種類によってばらつきがあり、体長は一般的に1センチ~4センチ。黒っぽい体で頭が丸く、だいたい寸胴です。
後ろ足が太く長く発達しているのが特徴で、ジャンプして飛びます。鈴虫のように前翅をこすり合わせて鳴きますが、樹上性の多くは鳴きません。
湿地で生息する種は水面に浮いて泳ぐそうです。
日本では昔、セミを含む鳴く昆虫は全部仲間としていたので、今でも生活のなかでカマドウマやコロギス、ヒメギスなどを「コオロギ」とみなす場合があります。
鈴虫の飼い方
雑食なので共食いに気をつけましょう。鈴虫は以下のものを食べます。
- キュウリ
- ナス
- 鰹節
- カボチャ
- サツマイモ
よく跳ねる足ですが、ガラス、プラスチックをのぼることはできないので、囲いの高いケース、水槽などで飼うことができます。
ススキやクズの群生地で生息しているので、入れてやるのも良いでしょう。赤玉土を敷いて湿度を保てば、雌雄がいると簡単に卵を産みます。カビが発生しやすいので気をつけてください。
夜行性なので昼間は隠れられるように物陰を広めに作ってやるようにします。
コオロギの飼い方
通常、鈴虫とコオロギは一緒に飼えません。
コオロギは種類が多く、好む条件が多岐にわたります。
エンマコオロギは比較的、乾燥状態に強いので湿った土を入れなくても大丈夫です。ただし摩擦の発生しにくい床は歩けないので、プラケースや水槽で飼う場合は床材が必要になります。たとえば新聞紙や砂を敷きます。
夜行性で明るいうちは物陰が必要なため、植木鉢のかけらや丸めた新聞紙などを入れます。狭い場所では共食いが起きやすいので、広く作るようにします。
餌は以下です。
- タンポポ
- キャベツ
- カボチャ
- キュウリ
- リンゴ
水分補給が重要なので、脱脂綿を濡らして置いておき、こまめに取り替えましょう。
まとめ
鈴虫とコオロギの鳴き声の違いは以下でした。
- 鈴虫は「りんりんりんりん」
- コオロギは「りゅりゅりゅ」、とか、「コロコロコロ」
秋に鳴き声を聴かせてくれる鈴虫やコオロギですが、涼しい地域では8月にはもう活動しています。
夜、部屋の窓をたまには細く開けて、虫たちの演奏会に耳を傾けながら休むのも風流ですよ。