お盆の海には霊がいるから入ってはいけないは本当?
公開日: : 最終更新日:2019/07/30
お盆には、家族や友人と旅行へ出かける人も多いですよね。なかでも新しい水着やBBQ、イベントなどで盛り上がる海へ行く人もいるのでは?
しかし、お盆の海には霊がいると聞いたことはありませんか?
一見、怖い迷信にも聞こえますが、今でもこのようなしきたりを守っている地域もあります。
そこで今回は、お盆の海には霊がいるから入ってはいけないは本当か、調べてみました!
目次
お盆の海には霊がいるから入ってはいけない?
お盆の水難事故では「霊に連れていかれた」とか「足を引っ張られた」などと言われるのを耳にしたことがありませんか?
お盆=霊 というイメージがありますが真偽のほどはどうなんでしょうか?
そもそも霊がいると言われるようになったのにはきちんと理由があるんです。
- お盆にはご先祖様が帰ってくる
- 海は霊界とこちらの世界を繋ぐ通り道
- 水辺には霊が集まりやすい
- 不慮の事故に遭った霊が寂しくて連れていく
- 地獄の釜の蓋が開いて放たれた悪しき霊がさまよう
お盆にはご先祖様たちが海を玄関としてこの世に戻ってきます。
そのため、お盆の海=ご先祖様の通り道、とされているんですね。
風習やしきたりを重んじる地域では、海へ入るどころか、近づくことさえもタブーとしている所もあります。
地域によっては「灯篭流し」や「精霊流し」と言って海や川にお供え物を流す風習があります。
やはりお盆と水辺という関係は深く繋がっているのでしょう。
また霊以外でもいくつか理由があります。
- 台風が近づく
- 土用波
- 離岸流
- クラゲ
こちらは風習や言い伝えといった問題ではなく、冗談抜きで危険だからです。
自然の脅威の前では人間は無力です。
少しの油断や安易な気持ちで水辺に近づくと思わぬ事故に見舞われるかもしれません。
お盆の時期に海に入った人全員が、霊を見たり、事故に遭っているかというとそうではありません。
海へ入るのが決してダメという訳ではなく、あくまでもその言い伝えや理由をどう捉えるかという事です。
もちろん、地域によっては暗黙の了解として海へ入ることを危険視している場合もあります。
気になる場合は事前にリサーチしておきトラブルにならないようにしましょう。
それでもどうしても行かなければならない!という場合は家族に伝えておく、誰かと一緒に行くなどの対策しておくことをオススメします。
お盆の海にまつわる怖い言い伝えは?
ご先祖様の通り道と説明しましたが、海を通るのは身内の霊だけではありません。
なかには怖い言い伝えもあります。
そのひとつが、「閻魔の斎日(えんまのさいじつ)」です。
旧暦のお盆を過ごす地域では7月16日を閻魔の斎日としています。
この日は地獄にいる鬼が仕事をお休みする日と言われています。地獄の入り口が開き、現世への玄関口=海へと繋がるとされ、日頃鬼にいじめられている霊たちが解放されます。
その霊たちは、悪さをして地獄へ落ちてしまった霊や、成仏できずにさまよっている霊だといわれているため、人間にいたずらすると言われています。
海での事故は、こういった霊の仕業だと言われているんですね。
沖縄県では、お盆の海に入ることを大変危険視しています。観光客がむやみに海へ入ると怒られてしまうこともあるかもしれません。
お盆の海に入っていはいけない霊以外の理由は?
調べれば調べるほど、お盆の海には入ってはいけないような気もしてきましたね。
しかし、霊以外の理由で、お盆の海に入ってはいけないという情報も出てきました。
そのひとつが「クラゲ」。
クラゲは年中、海に生息していますが、お盆の時期のクラゲは成長し、大人になっています。
大人のクラゲには毒針を持つ個体もいるため、事故を防ぐために注意喚起を行っている海もあります。
また、波の高さや潮の満ち引きも、お盆の時期に関係しています。
夏は台風が多く発生しやすいですよね。
遠くで起きている台風でも、海の波は影響をうけます。特にお盆の時期は、台風やスコールなどといった気候が急変することもあり、海水浴を禁止する場合もあります。潮の満ち引きも同様で、大潮を迎えるのがお盆と重なることがあります。
こういった海の生物、気候や海の状態がお盆の時期は変わることが多いため、整理されていない海や遊泳禁止エリアへの侵入、知識がないが故事故へ巻き込まれるのを防ぐため、海へ入ることを良いとしない地域もあるんですね。
禁止エリアへの遊泳はもちろん、海水浴エリアでも遊泳が禁止されたら、必ず指示に従いましょうね。
お盆の海に入ってはいけない時期はいつか?
お盆ときくと、8月の中旬を指すかと思いますが、地域によっては旧暦で過ごすところもあります。
7月頃と8月頃に新旧の暦でお盆を過ごすというのを知っている人は多いかもしれませんが、実は3つのお盆の時期があるんです。
ひとつは、旧暦のお盆の日時だけをそのまま今も引き継ぎ、新暦として過ごす「新盆」。
7月15日前後、また前後の土日をお盆とし、
主に東京や横浜、静岡の旧市街地などが当てはまります。
もうひとつは、8月15日前後をお盆とする、新暦のお盆です。
全国的にはこの時期をお盆とし、
会社などのお休みのこの時期に多いようですね。
そして三つ目は、今でも旧暦の7月15日前後をお盆とし、新暦と照らし合わせ、
毎年日付が変わる「旧盆」を過ごしている地域です。
主に沖縄や奄美地方では旧盆として過ごし、
場合によっては9月にお盆が来ることもあります。
お盆の時期というだけで、地域には差があります。もし海へ入る予定があり、お盆と被るのが不安な方は、その地域のお盆を確認しておくと安心ですね。
新暦7月15日(もしくは前後の土日)– 東京・横浜・静岡旧市街地、函館、金沢旧市街地など
新暦8月15日(月遅れの盆。2.の地方では旧盆とも)– ほぼ全国的
出典:Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E7%9B%86#.E6.97.A5.E4.BB.98
なぜ清められてるはずの海水に霊が現われるのか?
霊には塩を撒くと良いと聞きますよね。なのに、海には塩分が含まれているのに、おかしいな?と思いませんか?
調べてみたところ、実に様々な意見が見受けられました。
たとえば、霊は塩に弱くない、という意見です。
霊の発する悲しみや邪悪な念に対して、塩が効く、というだけであり、霊そのものの存在を消すわけではないとか。
お店などの入り口に盛り塩をするのも、あくまで霊を近づけさせないためですもんね。
また、塩に含まれるイオンが霊を追い払うとされていますが、海水の中に溶けている塩は、このイオンの状態が不安定で本領を発揮しないとか。
本当のところは、霊に聞いてみないと分からないですね。
お盆の海には霊がいるのか調べてみると、地域による風習や、お盆の海の危険性など、多くの事が分かりました。
まとめてみると、
- お盆の海に入ってはいけない訳ではない
- 地域によってはお盆の海へ近づくことすらしない
- 海の危険、天候、地域の風習など、不安な場合は事前に調べておくこと
となります。
長期連休や旅行となると、ついつい気持ちも浮かれてしまいますよね。
毎年悲しいことに、海や川での事故はニュースになります。
それも幼い子供だけでなく、大人が事故に遭う事もあります。折角のお盆、楽しく過ごせるようにケガや事故には気を付けてくださいね。