こどもの日の兜の意味は?兜はいつからいつまで出す?
公開日: : 最終更新日:2018/10/06
こどもの日の兜を飾っている時、子供に
「どうしてこどもの日に兜を飾るの?」
と聞かれたら、あなたはすぐに答えられますか?
よくよく考えると「兜は戦いの時に被るもの」。これは「子どもを戦場に送り出すという意味?」
いやいやまさか、子供を戦(いくさ)に行かせたい親なんているわけないですよね。
ではどうしてこどもの日に飾るのは戦いに使う兜なんでしょうか?兜に込められた意味とは?
こどもの日の兜の意味はコレ!
確かに兜は戦の道具ですが、戦いのときに「身を守る」ためにかぶるものです。
ここから転じて「身を守る」意味として兜が飾られるようになりました。
こどもの日の5月5日は元々端午の節句という節句(季節の節目)で、端午の節句は別名「菖蒲の節句」とも言われました。
武家社会では菖蒲が尚武(武士としての勇ましさを重んじること)と同じ発音なので、この語呂の良い端午の節句の日にお家の跡取りとなる男子が無事成長することを願って身を守る意味で兜を寺社に奉納しました。
そこからこどもの日と兜のつながりが生まれたのです。
町民や農民も武士の風習をまねて兜などを飾りましたが、もちろん本物は持っていないので紙などで作っていたそうです。
何だか新聞紙で兜を作ってかぶる男の子みたいですね。
ちなみに、こどもの日のもう一つの象徴「鯉のぼり」の意味は男の子の立身出世を願うことで、兜の「内飾り」に対して「外飾り」とも言われ外に出します。
攻めと守りの二面作戦で子どもの安全と成長を願うという深い意味があったのですね。
兜はいつ出す?
3月の下旬から4月の終わりくらいまでが兜飾りを出す時期と言われています。
3月のにはお彼岸がありますので、お彼岸の中日の春分の日が終わってからが一般的なようです。
とはいえ、この時期は新年度や新学期で忙しい時期ですから4月に入って落ち着いてからでも大丈夫です。
兜を痛めないために湿気の無い天気の良い日を選んで飾るようにしましょう。
ただし、せっかくの兜飾りなので、4月の半ばまでに出せると良いですね。子ども達も喜びますし。
大安が良いとか先勝の日の午前中が良いとかの節もありますが、スケジュールに合わせて無理のないようにしましょう。
兜はいつまで?しまう日は?
ひな人形は「遅くしまうと嫁に行くのも遅れる」の有名な都市伝説もありますが、男の子の節句の兜飾りも同じでしょうか?
最近は結婚できない男性も増えているので心配になって調べてみたら、特にそのようなジンクスはなさそうです。
とはいえお節句が終わったら=5月5日が過ぎたら速やかにしまうのが普通です。
しまう日も湿気を避けるために天気の良い晴れた日にしまうようにしましょう。
やわらかい布などでホコリを拭いてしまいましょう。
ハイヤーの運転手さんんが着けているような綿の手袋をすれば、兜に手垢が付きにくく、細かいところのホコリをぬぐうのにも便利です。
もう一つ、「兜は子供が何歳まで飾るか?」ですが、元々の武家の風習では「子供が大人になる=元服する」まで飾っていました。
今でいう15歳前後です。この年齢は今だと丁度中学卒業くらいですね。
ただ、小学校の中学年くらいになると子供本人がイヤがる場合もあるようです。
この時期に家に遊びに来た友達に兜飾りを見られて「オマエまだ兜とか飾ってもらってるの?」とからかわれて、子供本人が「もう兜は飾らないで」と言ってきた。なんて話も聞きます。
まったく親の心子知らずなハナシですが、それも成長の証なんですかね。
飾らなくなった兜は、知り合いで欲しがっている人に差し上げる他にも、神社やお寺の人形供養に出す、オークションで売る(国内外問わず武将ブームで買い手がつくかも)、自治体やNPO団体に寄付する、などの手段もあるので、収納場所に困ったら調べてみると良いでしょう。
兜は本来一人一人を守るものなので「一人一つずつ、兄弟で共用とかお下がりは無い」と言われていますが、多少業界の営業トーク臭もしますし、物を大切にする意味でもリサイクルや共用は悪い事ではないと思います。
兜の飾り方は?
床の間がある家は床の間に飾ります。中央に兜と鎧、向かって左側が弓、右側が太刀です。床の間が無い家はリビングなどに飾ることになるでしょう。
その際、直射日光が当たる場所は兜が痛むので避けましょう。
段飾りだと床に段を組んで飾りますが、コンパクトなケースに入ったものや、飾り台が付いていないものは台を用意する必要があります。
小テーブル、カラーボックス等を台にする場合は、緑の毛氈(もうせん=敷物)を台の部分に垂らして見えない様にしましょう。
方角は特に決まりはありません。
【五月人形 「兜の飾り方」簡単ですよ。】
兜の値段は?
住宅事情などで相変わらずコンパクトな飾りが人気の様です。
兜のみでケースに入ったものは出し入れも手軽で汚れも付きにくく、今の時代にマッチしていますよね。
このような兜飾り、お値段のボリュームゾーンは2万円~10万円くらいです。
屏風、兜、弓と太刀がセットになった物なら5万円~20万円くらいが一般的な価格。
鎧・兜なら7万円くらいから、上はン百万と天井知らずとなります。
赤ちゃん用品の専門店や大型スーパー、ネットショップなどはデパートや専門店に比べてお安めな相場です。
人形専門店なら値引き交渉ができるところもあるようです。
兜飾りが店頭にたくさん並ぶのは3月初め位からです。それまではどうしてもひな人形が主流になるようです。
売り場に制約がないネットでは、これより少し早めに物が揃ってきます。
あまり間近になると配送が混んで思い通りの日に届かない場合もありますので、早めに準備するようにしましょう。
4月生まれのお子さんの初節句は、思い切って翌年にするのも一つの手ですよ。
季節ものの兜ですが、親御さんが自分の好きな武将や尊敬する武将の兜(直江兼続の「愛」とか、伊達正宗の「三日月」とか、真田幸村の「鹿」とか)を子供の初節句に用意して、こどもの日が過ぎてもインテリアとして一年中飾っているお家も少なくないとか。
これも良いアイデアですよね。
子供が親の愛を感じつつ歴史好きになるきっかけになったら一石二鳥というものです。