コスモスを秋桜と書く理由!当て字なの?花言葉は?
公開日: : 最終更新日:2018/10/16
日本では四季を通じていろいろな種類の花が色や形や香りを競い、見る者の目を楽しませ心を和ませてくれますが、名前に春夏秋冬の文字が使われている種類となると案外、少ないものです。
そして外来種にはカタカナ表記がなされることが普通ですが、和名をもって親しまれる花もあります。そのうちのひとつがコスモス(秋桜)です。
今回はそんなコスモスについて書きたいと思います。まずはコスモスを秋桜と書く理由、由来はなんなのでしょうか?
コスモスを秋桜と書く理由、由来
秋になると日本各地で見ることのできるコスモス。
コスモスの和名は「秋桜」と書きます。
読み方は「アキザクラ」なのですが、こう書いてコスモスと読むのも一般化してきましたが、いわゆる当て字です。
でも、本来コスモスは外来種ですので和名が「秋桜」となっていれば「コスモス」と読まず「アキザクラ」と読むのが正解だと聞くとちょっと驚きますよね。
それでも「コスモス」と読むことが定着した背景には理由があったのです。
その理由、由来ですが世間に「秋桜」と書いて「コスモス」と読むことが定着したのは、おそらく1977年にさだまさしさんが作詞作曲して山口百恵さんが歌ったヒットソング「秋桜」の影響が大きいのでしょう。
最初は、歌詞にある『小春日和』がタイトルでしたが、歌手のプロデュースを手がけていた酒井政利さんが提案した『秋桜』で決定されたというエピソードがあります。
この曲は、嫁いでゆく娘の心情と、送り出す母の心情を表した歌で、当時の山口百恵さんはまだ18歳でしたが、歳を感じさせないほどの情感を込めて歌い上げていました。
切ない歌詞が織り成す世界観と優しく奏でられたメロディーは聴く人の胸に響き、世代を超え、今でも歌い継がれている昭和の名曲です。歌の世界観と、コスモスの持つ優しさの中にも強さが感じられるイメージがぴったりだったのでしょうね。
歌の世界観が花の読み方にまで影響を及ぼすなんて今ではあまりピンときませんが、嫁いでゆくことの意味合いが現代とは少し違っていたのかもしれませんね。
様々な当て字が流行っていた時代とはいえ、これほどまでに人々の心に刻み込まれ、読み方が定着した言葉は少ないのではないでしょうか。
また、当て字であるにもかかわらず、図鑑や難解漢字に出てきたり、携帯やパソコンで「コスモス」と打ち込んでも「秋桜」が出てくるあたりは流石です。
コスモスが日本で見られるようになったのは明治からのようです。『秋桜』は、俳句の季語としても愛されてきました。ちなみに『小春日和』は秋から冬にかけての陽光の柔らかな晴れた日のことです。
菊科の花に桜という文字がつかわれたのも、道端や空き地でまとまって咲く花の、秋の風に可愛らしく揺れる様子が、春に桜を愛でる日本人の琴線に触れたということなのでしょう。
コスモスには花言葉があります。それを見ていきましょう。
コスモスの花言葉
コスモスは現在では驚くほど色のバリエーションがあり、それぞれに花言葉があります。コスモス全体の花言葉は以下です。
- 調和
- 平和
- 謙虚
- 美しい
- 乙女の真心
西洋では「the joys that love and life can bring(愛や人生がもたらす喜び)」という花言葉も。
花の色で分けると以下になります。
- 赤いコスモスは愛情
- 薄いピンクは純潔
- 濃い紫になると乙女の愛情
- 白いコスモスは純潔のほかに、美麗、優美
- 黒味がかった赤い色のチョコレートコスモスは、恋の終わり
など
黄色いコスモスは品種改良によって生まれたのですが意味は野生の美しさだそうです。不思議ですね。
黄色いコスモス?
黄色いコスモスは、1987年に日本で初めて品種登録されました。
もとは1957年に紅色のコスモスから突然変異でうまれた株を、玉川大学農学部が交配実験をおこなって黄色いコスモスとして定着させ、『イエローガーデン』として登録したのです。
コスモスによく似た黄色い花にオオキンケイギクがあります。こちらは繁殖力が異常に強く、在来種を駆逐してしまうことを懸念され、特定外来生物に指定されています。除草が奨励されており、栽培、販売などが禁止されています。
コスモスの線香花火のような葉と違って、真っ直ぐスラッとした形が特徴です。
では、そもそもコスモスってどんな花なのでしょうか?
コスモスってどんな花?
コスモスの原産国はメキシコで、国土は日本の5倍という広大な土地にあって、基本的に四季はないそうです。あるのは雨季と乾季だけ。しいていうなら1日の気温差が激しく、24時間のなかに四季があるといえます。
コスモスは1年を通じて咲いているのです。
ところがコスモスという名前の由来はギリシア語の「kosmos」から来ているというのですから、なんだかグローバルでおもしろいですね。
意味は、宇宙からきていて以下です。
- 秩序
- 調和
- 美
葉を見るとわかりやすいのですが菊科の植物です。もともとの花は一重で以下の3色でした。
- 白
- ピンク
- 紅
まとめ
コスモスの和名を秋桜と書くことが一般化した理由、由来はさだまさしさんが作詞作曲して山口百恵さんが歌ったヒットソングの影響でした。
コスモス全体の花言葉は以下です。
- 調和
- 平和
- 謙虚
- 美しい
- 乙女の真心
花の色だと以下でした。
- 赤は愛情
- 薄いピンクは純潔
- 濃い紫は乙女の愛情
- 白は純潔のほかに、美麗、優美
- 黒味がかった赤い色のチョコレートコスモスは恋の終わり
- 黄色は野生の美しさ
秋の景色にあたりまえに見られるコスモスが、実は近代になってからのものだったなんて、意外でしたね。
それでも名前から日本人の愛着が、これほど窺える外来の花もちょっとないような気がします。
宇宙を具現するようなブルーの品種が生まれたら、また楽しそうです。