台風の時期!日本では?過去の大型台風は?
公開日: : 最終更新日:2018/10/16
毎年、必ずやってくる台風。TVの気象情報はどこを見ても実況中継になりますね。
山では土砂災害、海では高潮、川では氾濫、大洪水、交通網は麻痺……と国内各地が大被害を被ります。
今回はそんな台風の周辺の話をお届けします。
まずタイトルにもなっている台風の時期っていつなのでしょうか?
目次
日本での一般的な台風の時期は
日本で一般的に認識されている台風の時期は8月、9月となっています。
だいたいですが、日本での8月の台風の発生数は5.9個、9月は4.8個です。
2018年8月は多くて9個も発生しています。これは平年の1.5倍の多さとなっています。
ちなみに、統計を取り始めてから、最も多く台風が発生した年が1967年の31個、最も少ない年が2010年の14個です。今年は8月までですでに21個も発生していますので、結構台風が多い年なのですね。
過去データ1981年以降30年間の平年値から割り出すと、実は台風の発生件数は8月、9月と7月、10月はほとんど一緒です。
日本への接近の多い順でいうと8月、9月、7月、10月となり、ちょっと差が出ます。
ちなみに接近とは、国内に点在する気象官署から300km以内に台風の中心が入った時点をいいます。
沖縄と奄美だけに接近した台風の平年値を調べると、10月が1番多くなります。
ただ10月の台風は太平洋高気圧が衰退していて勢いがなく、日本を避けるように南や東の海上を北東へとそれていきます。たまに日本までやってくる時は「おくて台風」と呼ばれるそうです。
ここで豆知識です!
日本では、台風1号や2号といったように、発生した順にこの号が付けられます。
しかし、日本でも台風に名前が付けられた時期がありました。
それは、1947年から6年にわたってアメリカの占領下にあったため、アメリカのハリケーンにならって台風に英語名(しかも女性の名前)を付けることが強要されていました。
この6年間に発生した台風の名前は、カスリーン(1947年)、アイオン(1948年)、キティ(1949年)、ジェーン(1950年)、ルース(1951年)などです。
この6年間だけは、年号ではなく英語名が正式なんです。
台風の休息
今年の台風1号は1月3日にボラヴェンで発生しています。
1951年以降の記録によると、過去に最も早く台風が発生したの1979年の1月2日でした。ついでにいうと最も遅かったのは2000年の12月30日に発生した台風23号です。
この台風23号は翌年まで消えずに年越し台風、世紀もまたいだ世紀越し台風となったエピソードがあります。
大晦日も元旦も台風では、1年のうちいつ、その活動を停止しているのでしょう。1951年以降に台風が発生しなかった期間は、2月8日から2月14日だそうです。それ以外は、ひらたくいうと年中台風のシーズンということになるようです。
ビックリですね。
上陸となると、台風の中心が九州、四国、本州、北海道などの海岸線に触れた時点のことになります。時期でないからといって油断せず、台風マークが天気図に登場したら気をつけたほうがいいでしょう。
日本はエルニーニョ現象で台風の時期や進路が変わった?
今までお伝えしてきたのは見出しタイトルにもあるように「一般的な」でした。
最近はエルニーニョ現象の影響で地球規模の気象変化が起こっており、台風の発生時期や進路にも影響を及ぼしているようです。
気象庁の発表によれば、エルニーニョ現象の影響で気温が低くなって「冷夏」が発生し、梅雨の後半は雨量が多くなります。
それにより台風がどのような影響を受けるかというと、
- 中心気圧が低くなる
- 台風の寿命が長くなる
- 7~9月に発生する台風の数が減る
- 発生位置が南東寄りにずれる
といったところです。
去年は11月にも大型の台風がやってきましたね。10月以降にずれ込むかたちのようです。
そもそもエルニーニョ現象とは何なのでしょうか?
エルニーニョ現象とは
数年に1度、半年以上の期間、広範囲で熱帯太平洋の東部で海面水温が上昇(低下)する現象を、エルニーニョ(ラニーニャ)と呼びます。
地球規模の異常気象との関連が指摘されています。
海面水温は台風の発生と密接な関係があるので、エルニーニョ(ラニーニャ)現象の影響も受けるのではと言われています。
ただ今後、日本における台風の上陸回数、平均的な規模がどう変化するのかなど、明確な結論は出ていません。
温暖化による北極、南極の氷の融解、海水の膨張などで海面推移が上昇すれば高潮の危険性が高まることは指摘されています。
では、台風とは?
台風の定義
まず熱帯の海上で熱帯低気圧が発生します。そのうち北西太平洋か南シナ海で、最大風速が17m/s(低気圧域内10分間平均)以上に発達したものを、台風と呼びます。
遠い空で発生した台風は地球の自転と風にのって北に向かい、偏西風で加速がついて北東に進みます。この時、海からの水蒸気がエネルギーとなって大型化します。
台風の勢力が上陸すると衰えるのは、移動の際の海面や地上との摩擦と、水蒸気の供給を失って、エネルギーが補給できなくなるためです。
日本での過去の大型台風(昭和三大台風)
台風の威力と被害の甚大さから、昭和三大台風といわれているのが、室戸台風、枕崎台風、伊勢湾台風です。
以下の表でも分かるように過去の大型台風の例を見れば、見事に9月20日前後に来ています。統計的に、最も注意が必要な台風の時期はこのあたりになりそうです。
室戸台風
1934年(昭和9年)9月21日
最低気圧 911.6 hPa (上陸時)
最大風速 60 m/s (上陸時)
死傷者数 死者2,702人、行方不明334人、負傷者14,994人
当時、過去最低海面気圧の数値を記録した台風は高知県室戸岬付近に上陸。関西、東北地方へと移動。
それまで台風、暴風に襲われたことのなかった京都、大阪に建造物の被害、大雨や巨大な高潮によって海水は大阪城までに到達、浸水災害と大阪湾の船舶にダメージを与えました。
特に明治時代に建てられた木造の小学校が倒壊し、多くの教師と生徒が犠牲になったことが語り継がれています。
枕崎台風
1945年(昭和20年)9月17日
最低気圧 910 hPa
最大瞬間風速 75.5m/s(宮崎県細島)
死傷者数 死者2,473人、行方不明1,283人、負傷者2,452人
台風16号は、鹿児島県枕崎付近に上陸。
第二次世界大戦の終戦直後だったため、戦時中の乱伐で山肌の脆くなっていたところへ大雨による土砂災害が多発。被爆した広島県民の2,000人以上が、さらに犠牲になりました。
この台風の影響は西日本にとどまったようです。
伊勢湾台風
1959年(昭和34年)9月26日
最低気圧 895 hPa
最大風速 75 m/s
死傷者数 死者4,697人、行方不明401人、負傷者38,921人
台風15号が、和歌山県潮岬付近に上陸。
地上にいても超大型の勢力が衰えず、伊勢湾周辺で40m/sの暴風、高潮は名古屋港で3.89mを記録しました。
山間部では広範囲に200mm以上の大雨が降り、大規模な浸水災害が発生。愛知県の被災者は153万人、三重県では32万人にのぼりました。
岐阜県を縦断して富山県から日本海に抜けるまでに、民家、建物への被害も83万件を超えるなど、ケタ違いの災害となりました。
まとめ
日本での台風の時期をまとめると以下でした。
- 台風の発生件数は8月、9月と7月、10月はほとんど一緒
- 日本への接近の多い順でいうと8月、9月、7月、10月
- ただし、最近はエルニーニョ現象の影響で10月、11月も多い
過去の大型台風は以下でした。
- 室戸台風 9月21日
- 枕崎台風 9月17日
- 伊勢湾台風 9月26日
異常気象を懸念される昨今ですが、台風は毎年、世間を騒がせています。
大型といわれるほどの規模は滅多になく、警戒と言われながら肩透かしで終わる場合も多いですが、数年に1度は深刻な被害をもたらすことも確かです。
過去の内容を教訓として生かせるようにしたいものですね。
- PREV
- 痛風の症状!足はこうなる!治療方法は?
- NEXT
- 梨の種類と特徴!味の違いと歴史は?