秋の七草の覚え方!簡単に覚えられる方法教えます!
公開日: : 最終更新日:2018/10/17
「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七草の花」
「秋の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花」
という2つの歌があります。山上憶良が詠んだとされ、秋の七草の由来ともいわれています。
春の七草は七草粥で有名ですが、秋の七草ってちょっと地味ですよね。だけど、元は「七草」といえばこの秋の七草のこと。お粥には入れずに、野に咲く花として鑑賞したり、歌に詠んで楽しむ「秋を代表する植物」です。
覚えてみよう、秋の七草
秋の花、尾花、葛花…と歌を口にできたらそれはもうかっこいいですが、なかなか覚えるのは難しいですよね。そこで、有名な「秋の七草」の覚え方を紹介します。
頭文字で覚える
七草それぞれの名前の頭文字を並べて覚える方法です。
例1 おすきなふくは(お好きな服は)
- お→オミナエシ
- す→ススキ
- き→キキョウ
- な→ナデシコ
- ふ→フジバカマ
- く→クズ
- は→ハギ
の順番になります。山上憶良の歌にいう「尾花」がススキにあたり、「朝貌の花」は諸説ありますが「キキョウ」とする説が有力です。
例2 おきなはすくふ(沖縄救う)
例3 はすきなくふお(ハスキーなクフ王)
例4 ふくはきなおす(服は着直す)
例5 きすはなおくふ(キスはなお食う)
例6 きおすくはなふ(KIOSKはNOW!)
余談ですがKIOSKとはJRグループ駅構内にある売店で、もともとの読み方は「キヨスク」でしたが2007年にJR東日本エリアでは英語発音に近い「キオスク」に改めたそうです。
リズムで覚える
「ハギ・キキョウ クズ・フジバカマ オミナエシ オバナ・ナデシコ 秋の七草」
五七五七七で短歌と同じリズムですね。頭の中に文字を浮かべるだけでなく、口に出して繰り返しましょう。何度も口ずさんでいると、いつの間にか口癖のように覚えてしまうから不思議ですね。
また、数字を絡めて左脳に頼る方法としてはこんなものもあります。
数字を書いた紙を壁に貼って、それを見ながら覚えるとより効果的です。「1」を見ながら「ハギ」、「2」を見ながら「キキョウ」と数字を順番に目で追っていきます。思い出そうとしたときに、頭に数字を思い浮かべると、すらすら名前が出てきますよ。
その時に草の名前だけでなく写真などで視覚からの画像も同時に覚えると関連づけて覚えられますし、長い間忘れることがないでしょう。
5~6種類は覚えていても7種類全部をスラスラ言える人は多くないかもしれません。コッソリ覚えてプチ自慢してみませんか?
秋の七草の出番はいつ?
かつては秋を知らせてくれたこれらの野花も、今となっては自生種で見られるのはススキとクズくらいです。そこで、園芸店では「秋の七草セット」なるものが売られています。これらはお月見の日に飾って、壮麗な名月とともに楽しみます。
また、トルコキキョウはお盆や秋の彼岸に、菊やリンドウなどと一緒に供えられることの多い花です。ほかにも、ナデシコは女子サッカー日本代表を「なでしこジャパン」と称するように、美しい日本人女性の代名詞として使われますね。
「七草」ってなに?
七草とは、もともと秋に愛でる野花のことをいいました。しかし、今では一般的に「七草」といえば春の七草をいいます。かつては「七種」と記されたこの新年の風習は、野菜の不足するこの時期にビタミンやミネラルの多い野草を食べるためのものとされています。お正月で弱った胃を癒すため、とも言われていますね。どちらにしても、身体の調子を整えるための先人の知恵というわけです。
しかし、この七草のそれぞれには「神様がお出ましになる時代」が示されているという説があるのを知っていますか?
たとえば…
- スズナ:鈴(丸の中に神様がいる姿を表しています)が成り生りますよ、という意味
- ホトケノザ:そのまま「仏の座」、ゴギョウは「五行」で木・火・土・金・水の五行思想を表している
とっても興味深いお話です。長く続いているものには、その分たくさんの意味が込められていることが多いですよね。
「春の七草」と「その他の七草」
七種こと「春の七草」の風習は古代日本の「若菜摘み」が原点だといわれています。これは、年のはじめに雪のあいだから芽を出した草を摘むというものです。これに、7種の野菜が入った汁を飲む中国から伝わった習慣が習合したと考えられています。
現在では「春の七草セット」なる食用の野草がスーパーなどで売られているので、通常のお粥に刻んだ七草を入れてちょこっと煮れば簡単に作ることができます。秋の七草といい、ずいぶん便利な時代になりましたね。風情はなくなりましたが、この簡易的なイベント感…これはこれで面白いと思うのです。
また、「春」「秋」のほかにも七草があるって知っていますか?実は「夏」にも七草があるのです。これは食糧難だった戦時に、食べられる植物として選定されたものです。古代日本の風習では決してありませんが、日本の歴史の一部として興味深いものではあります。草の種類は
- アカザ
- イノコヅチ
- ヒユ
- スベリヒユ
- シロツメクサ
- ヒメジョオン
- ツユクサ
です。シロツメクサなんかは、花冠を作って遊んだ子ども時代を思い出します。まさか食べられるものだとは知りませんでしたが。
さらに「昔の七草」なんていうのもあります。種類は
- イネ
- アワ
- キビ
- ヒエ
- ゴマ
- アズキ
- ムツオクレグサ
です。古い時代には「春の七草」がこれらであったという説があります。
小学生のころは、お粥にして食べるという行事がもれなくついてくる「春の七草」に比べて、「秋の七草」はどうにも印象に残りませんでした。
しかし、今となっては、道端に咲く7つの野花を見て「あぁ、今年も秋が来たなぁ」なんて言っていた時代を美しく思い、お月見の日に飾って楽しい気分になります。ジュースよりワインが好きになったように、こういう趣向の違いもまた、大人になったひとつの証でしょうか。