半夏生とたこの由来 in 2017!いつ食べる?
公開日: : 最終更新日:2019/01/31
相変わらず梅雨空が続きスカッとした日がなかなかきませんが如何お過ごしでしょうか?
梅雨があけたらいよいよ夏本番。楽しい季節になりますが暑さにやられることにもなります。それを考えるともう少し梅雨を楽しみましょうか?
因みに管理人は雨が好きですよ。街の汚れを洗い流してくれているような気がします。
雑節と半夏生
梅雨の終わりを告げる雑節に半夏生というものがあります。「はんげしょう」と読みます。
半夏生(はんげしょう)とは雑節の一つで、夏至から数えて11日目にあたる日です。2019年は7月2日から7月6日までの5日間をいいます。
半夏生と呼ぶようになった由来には、漢方薬に使われる半夏が生える頃だからという説があります。またドクダミ科のハンゲショウという植物は、この時期に花が咲くことから名付けられたという説もあります。
漢方薬の半夏は薬になりますが、ハンゲショウは毒薬になるんです。
ちなみに、複数ある葉っぱのうちの半分が白い色になることから、おしろいを半分だけ塗ったように見えて「半化粧」という名がついたんですよ。
半夏生とは雑節の一種なのですが雑節とは、季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた、特別な暦日のことです。
他には、
- 節分
- 彼岸
- 社日
- 八十八夜
- 入梅
- 土用
- 二百十日
- 二百二十日
などがあります。
雑節が考え出された背景には農家が季節の移り変わりを正確に理解できれば農作物に多大な損害を出さずにすむという、自然現象と農業の深い関係があるんです。
雑節とは中国からきたのですが二十四節気のことです。二十四節気とは、1太陽年を日数、あるいは太陽の黄道上の視位置によって24等分し、その分割点を含む日に季節を表す名称を付したものです。
難しいですか?要するに半夏生とは農家の方が季節を知るための印としてつけた季節の変わり目のことです。これを知っていれば農作物が豊かに実るという訳です。
昔から農家(特に稲作をしている)には「(チュウ)夏至は外せ、(ハンゲ)半夏は待つな」ということわざがあります。
これは「夏至が過ぎて半夏に入るまでには田植えや畑仕事を終わらせるのが良い」という意味です。
また、この半夏生の前に仕事を終わらせた農家は、その当日の天候で今年の稲は豊作、凶作どちらになるかを占っていました。面白いですね。
では、今も全国の農家の方たちはこの半夏生の間、仕事をしていないのでしょうか?答えはNOです。
もちろん縁起をかついで毎年暦通りに仕事を終わらせ、お休みしている農家さんもいるでしょう。
しかし、現在では温暖化などで昔と気候も変わっています。寒い地方でも稲作ができるようになり、昔は美味しくなかったと言われた北海道米が、今はかなりポピュラーになっていますよね。
九州と北海道では気候や環境が違うので、農業の日程も変わってきます。
何より、今は品種改良が進んで昔よりウンと田植えの時期が早くなっているんです。
なので、自然に身を任せていた昔に比べるとこの日を目安に田植えを終わらせようとする農家は少なくなっています。
少し寂しいですが、農業も、より多くの人に美味しいお米や野菜を届けるために日々進化してきたといえるでしょう。
同じ雑節の「節分」や「お彼岸」は誰でも知っているかと思いますが、「半夏生」は知らない方が多かったのではないでしょうか。
農家の方が作ったお米を沢山食べている私たちは日本文化として是非覚えておきたいですね。
半夏生とたこ
近畿地方では半夏生にたこをたべる習慣があります。これは、田植えを終えたこの時期にタコを食べると
- 稲の根がタコの足のように四方八方にしっかりと根付きますように。
- 稲穂がタコの足(吸盤)のように立派に実りますように。
という願いが込められているんです。
梅雨の終わりは特に雨が激しく降る時です。農作物が雨で流されないようにと祈ったものかもしれませんね。
近畿地方のたこといえば明石ダコです。明石ダコは、もちろん明石で取れます。
明石の激しい潮流にもまれて身が引き締まっているのと、エサとしてカニを食べているので、おいしくなるのですよ。
明石ダコの特徴は体の茶色が濃くてツノがあることです。このツノは皮膚が突起しているもので、触るとひっこみます。6~8月頃の旬のタコを「麦わらダコ」と言います。麦わら帽子をかぶる時期に旬になるのでそう呼ばれるようになったそうなんです。
関西の人はたこが大好きです。生で食べたり煮たり焼いたりして食べます。大阪のミナミにはたこ専門のお店もあるくらいですからね。
まとめ
日本は農業の国でした。その為、農業に関する風習は本当に多いです。この半夏生も最たるものなんですね。
これで半夏生の事を他の人に説明出来るようになりましたか?
管理人は昔の農家の人の大変を思うと泣けてきます。
半夏生の5日間は働くことを忌み、天から毒が降るので井戸にふたをし、この日に採った野菜も食べてはいけないといわれました。
また、ハンゲという妖怪が徘徊する、竹の花を見ると死ぬので竹林に入ってはいけないなど様々な物忌みが行なわれていました。
半夏生までに田植を終わらせその後は絶対に田植えをしないというのは、もしかしたら重労働である田植えを終わらせゆっくりするためのものだったのかも知れませんね。
管理人はご飯を1粒も残さず食べますよ。あなたはどうですか?