スタッドレスタイヤの寿命の見分け方!溝の減り方から見ると?
公開日: : 最終更新日:2018/10/15
本格的な冬の到来を前にすると、天候を見ながらタイヤ交換のタイミングを計ります。そして、このスタッドレスタイヤは何年目だったかなあと振り返ります。2年目ぐらいなら何も悩みませんが、4年・5年目を迎えるとそろそろかなと迷います。
以前4年目のタイヤでそろそろ交換かなと思っていた年があったのですが、溝を見るとまだ大丈夫そうだったのでそのまま使用しました。しかし前年と違ってやたらスリップしている感じが伝わってきたので、思い切って次の年には新品と交換しました。
タイヤを見た目で判断するのは難しいですね。判断を間違うととんでもない目に遭うかもしれません。スタッドレスタイヤの寿命は本当は何年なのでしょう。そこで、我々素人でもある程度分かるスタッドレスタイヤの寿命を見分けるポイントをまとめてみました。
スタッドレスタイヤの寿命の見分け方は?
スタッドレスタイヤの寿命を判断するポイントは2つあります。
1)溝の状態
まずは溝の状態についてです。溝の深さが新品から50%摩耗すると積雪時・凍結時における冬用タイヤとしての性能が低下するのでもう使えません。
全体の溝だけみるとまだ大丈夫と思ってしまうことがあるかもしれませんが、それは間違いです。
溝の深さはスタッドレスタイヤにあるプラットホームという印を見ます。プラットホームとは、溝の深さ50%の位置に設けられている使用限界を表す印です。溝をのぞき込むと中に見える出っ張りの部分です。
プラットホームはタイヤの横に「↑」があるのでその矢印をたどっていくと簡単に見つけることができます。1本のタイヤに4カ所あります。余談ですが、タイヤにはタイヤ自体の限界を示すスリップサインというものがあります。
タイヤ横の「△」をたどっていくと、プラットホームより低い出っ張りがあります。うっすらとした出っ張りなので分かりづらいかもしれませんが、これが出てしまうまで使用するというのは言語道断です。
2)ゴムの状態
次にゴムの状態についてです。スタッドレスタイヤはゴムの柔らかさが大切です。
その柔軟性でもって凍結した路面に密着し滑りにくくしています。ですからたとえ溝があっても、ゴムが硬くなると冬用タイヤとしての機能を十分果たすことができなくなります。
ではそのゴムの柔軟性をどうやって判別するかです。これについては見た目はもちろん、手で触ったり爪ではじいたりしてみてもなかなか判断できません。
そこでタイヤ硬度計という機械を使います。タイヤ硬度計から出ている針をタイヤに押しつけて硬度を測ります。
- ~56(グリーンゾーン)まだ使用可能
- 56~60(イエローゾーン)そろそろ交換時期
- 60~ (レッドゾーン)すぐに交換
ゲージに示された数字でゴムの柔軟性を判断することができます。
自分で測定したければ買い求めることはできますが、ネットで調べても高い物は5万円以上もします。数千円の物もありますが、性能的にどうなのか不安があります。
タイヤ専門店やガソリンスタンド等で計測してもらった方が確実ですね。
スタッドレスタイヤの寿命を走行距離や年数から見ると?
スタッドレスタイヤの寿命は一概には言えませんが、ある程度の目安はあります。まずは走行距離ですが、国産メーカーのタイヤなら1万5千~2万キロまでが一般的です。走り方や空気圧にもよりますが、それぐらい走るとプラットホームになるようです。
一方、スタッドレスタイヤの寿命は走行距離ではなく年数であるという意見もあります。タイヤの保管状況によって差が出ますが、ゴムの劣化がタイヤの性能を左右します。非常によい環境の中で保管しこまめに夏用タイヤと交換しながら使用すれば、まだ溝が残っていても最長5年が交換時期だということです。
ただ、5年まで大丈夫という思い込みはいけません。新品の頃から比べると確実にゴムは劣化しているので、自分で効きが悪くなったなあと感じたら交換することが大事だと思います。新品同様の性能を求めるなら3年サイクルがベストです。
スタッドレスタイヤの交換方法
普通タイヤからスタッドレスタイヤへまたはその逆の場合でも、業者に頼めば楽で安心ですが、急ぎの場合や経費節減を考える時は自分でもできるので、知っておくと便利です。まず、作業を始める前の注意点ですが、
- 雨や雪や風の強い日は避けて、明るい時間に行う。
- 平らで硬い地面の場所で行う。
- パーキングブレーキをかけて行う。
作業中に不測の事態が生じないように万全の注意を払ってください。では作業に入ります。その前に道具ですね。ジャッキとレンチを準備してください。いずれも車に標準装備されていますが、これはかなり使い辛いです。これから何年も自分で着脱作業をする気であれば、道具を買うことをすすめます。
- 油圧ジャッキ
- 十字レンチ
- 軍手
- タイヤストッパ
これだけあれば十分です。全部揃えても1万円でお釣りがくる程度です。まず、ジャッキアップポイントを確認しゆっくり持ち上げます。タイヤとホイルハウスの隙間が広がり、タイヤがまだ地面に着いている状態でいったん止めます。
ここでタイヤのナットを十字レンチで少し緩めます。固いからといって蹴飛ばしたりするとねじが割れることもあるので気をつけてください。ナットを半回転させる程度です。全部緩め終わったらタイヤが地面から2~3㎝ぐらい浮くまでジャッキアップします。
上がったらナットを緩めて外します。外したらタイヤを両手で持ち上げるようにして手前に引き出して外します。ねじの位置にホイルの穴を合わせて交換するタイヤを取り付けます。ちょっと重いので女性には難しいかもしれません。両手で持ち上げ奥までしっかり押し込みます。
次にナットを締めます。ナットは80%まで締めます。強く締めすぎるとその勢いで車が動きジャッキから落ちてしまうことがあります。締める順番は、対角線にあるねじを締めていきます。4穴なら十字に、5穴なら星を描くようにします。
周囲に何もないことを確認して、油圧のバルブをゆっくり緩めて車体を下ろします。タイヤが地面に着いて動かない程度のところで一度止め、90%ほどナットを締めます。完全に車体を下ろしてから最後に100%ナットを締めて終了です。しっかり締まっていることを自分の手でしっかりと確認してください。
スタッドレスタイヤの価格比較
安全のためとはいえタイヤを購入する費用もバカになりません。そこで、メーカーによってどれくらいの値段の違いがあるか調べてみました。価格.comです。
サイズは165/60K 15 77Q ぐらいのサイズで1本の値段です。
- ブリジストンBLIZZAK ¥14,430
- ミシュランX-ICE ¥10,630
- ヨコハマiceGUARD ¥11,700
- ダンロップDSX ¥12,410
- グッドイヤーICENAVI ¥9,900
- トーヨーGARIT ¥7,120
各メーカーのホームページで性能も調べて、懐と相談しながらできるだけ自分の走行に合うタイヤを選びましょう。
スタッドレスタイヤは溝とゴムの柔らかさが命です。溝はタイヤにあるプラットホームという印で確認してください。溝が半分減ったら替え時です。柔らかさはタイヤ硬度計で測ってください。スタッドレスタイヤをけちったばっかりにスリップ事故で大きな出費になってしまったという話も聞きます。
走行距離でいえば2万キロまで、年数でいえば最長5年を限度に、たまにはプロにちゃんと見てもらって判断してもらうのも大切だと思います。