暑がりは病気の可能性も?!男性がかかるのはどんな病気?
公開日: : 最終更新日:2019/02/07
暑い…暑すぎる…そんな経験ありませんか?
夏はもちろん、冬場でもちょっと厚着するだけで汗ばんでしまったり、まわりは涼しい顔している中、一人だけジワジワ体温が上がる感じがあったり。
暑がりで悩んでいる人は多く、かく言う私も暑さには敏感な気がします。
気候や体調によって暑さの感じ方に変化はありますが、気を付けてほしいのは、病気の可能性です。
女性に多いと言われている病気でも、男性が発症することもあります。
暑がりは病気の可能性があるのか、男性がかかる病気を調べてみましょう!
目次
暑がりの病気で男性の場合はどんな病気が考えられる?
そもそも人間の体は、熱を放出するために汗をかいたり血流を増加させたりする働きがあります。
脳が暑さを感じると身体の機能を保つための対策を取ろうと頑張るのです。
その頑張りこそが「暑い」と感じたり、汗をかいたりすることなのです。体は体温を調節するために汗をかきます。その汗が肌から蒸発する際の気化熱で体温を下げようとするのです。
暑いというのは不快なことなので、それを避けようと涼しい場所に移動するなどの行動をとりますよね。
肥満であったり代謝が高いと、ほかの人に比べ熱の放出にエネルギーを使うため、より暑さを感じることもあります。
この暑さの感じ方が異常になる場合があります。ただ、過剰に反応しているだけかも知れませんが、病気が原因の場合もあります。
病気が原因で暑がりである場合には以下のような病気が考えられます。
- 内服薬による影響
- 甲状腺の異常
- 脳神経などの障害
- ホルモン異常
他にも糖尿病の持病があれば、加えて自律神経が異常を来しているのかもしれません。多汗症というのも立派な病気の一つです。
過剰な汗かきといった症状が含まれている病気もあります。また、火照りや体温上昇、体重減少などを伴うこともあり、夏バテや風邪などと間違えてしまうこともあるようです。
まさか暑がりが病気のせいだとは思いつかないので気づくのが遅れます。なかなか自分で判断することは難しいですよね。
自分が人より暑がりなのかどうかを他の人と比べにくいこともあります。夏だから暑いといわれればそれまでです。
でも、もしかして病気?と思っている人は、他にどんな症状があるか確認してみてくださいね。
自分にもあてはまる症状がある方は、一度受診してみるとよいでしょう。
更年期障害とは?
更年期障害ときくと、閉経した女性が発症するイメージがありますよね。
しかし、男性ホルモンが減少することで、「男性更年期障害」を発症することもあるんですよ。
更年期障害の症状は?
一般的には、EDや性欲減少などといった、男性ホルモン特有の症状が表れます。
また、イライラやうつ、疲れが取れないといった症状もあります。
筋肉量が減り、肥満になりやすかったり、暑がり、汗をかきやすくなる、火照り、動悸なども症状としては有名です。
更年期障害の原因は?何科に行けば良い?
男性ホルモンは年齢と共に減少していきます。
夜間の睡眠中に男性ホルモンは生成されますが、40代より60代の方が多く生成されているというデータも報告されているようです。
40代前後は働き盛りの年齢でもあり、職場のストレスや家庭環境にも男性ホルモンは左右されるのかもしれません。
女性であれば、婦人科などで更年期障害を診てもらえますが、男性の場合はどこで診てもらえば良いのか、分からない人も多いのではないでしょうか。
まだまだ男性更年期障害は認知されたばかりで、専門病院というのは少ないのが現状です。
メンズクリニックや男性更年期外来、という診療科目があるところが理想ですが、ない場合は「現在出ている症状の専門科」に診てもらうしかありません。
大きく分けると3つの診療科になり、
- 精神的症状がある(イライラや鬱気味など)→精神科や心療内科
- 身体症状がある(暑がりや火照り・発汗など)→内科
- 性機能に問題がある(EDや性欲減少など)→泌尿器科
となります。
更年期障害の治療法は?
更年期障害の治療は、ホルモン治療が一般的です。
男性ホルモンを補充することで、症状を緩和、改善させることが期待できます。
しかし、副作用として多血症や睡眠時無呼吸症候群の悪化などといったリスクもあります。
定期的な血液検査はきちんと受けるようにしてくださいね。
バセドウ病とは?
芸能人が公表したことでも有名なバセドウ病は、甲状腺ホルモンの分泌が異常に増加する病気です。
バセドウ病の症状は?
喉元にある甲状腺が肥大し首が太くなったり、眼球が飛び出たようになる、動悸が止まらないといった症状が出ます。
実は、筆者の母親もバセドウ病に罹り、家の中の少ない階段の上り下りで汗が止まらなくなったり、脈拍が常に平常時の数倍の速さだったり、血圧計がエラーで測れないといった症状がありました。
最初は疲れているのかな?と思う程度かもしれませんが、放置すると悪化する一方なので、注意が必要です。
バセドウ病の原因は?何科に行けば良い?
甲状腺の病気である男女比は、1:9で圧倒的に女性が多いのですが、男性がかかる病気の中で比較的多いのが甲状腺異常です。
バセドウ病の原因は、甲状腺を自身で攻撃してしまう、甲状腺自己抗体のせいです。
なぜ自分で自分の体を攻撃してしまうのか、その原因はまだ分かっていません。
病院へ行く際は、まずは内科で診てもらいましょう。
血液検査や尿検査が一般的で、まずは甲状腺ホルモンの数値を検査してもらいます。
バセドウ病の治療法は?
バセドウ病の治療方法は大きく3つに分けられます。
「内服薬治療」「放射線ヨウ素治療」「手術」ですが、症状の重さや体調、通院の負担を考慮して決めていきます。
私の母親の場合、最初は内服薬治療でしたが効かず、手術になりました。
しかし、手術当日に症状が悪化したため、症状を抑えるために放射線ヨウ素で治療し、その後にやっと手術になりました。
決して自分で判断せず、専門家に診てもらいながら治療を進めていくのが大切です。
多汗症とは?
多汗症は読んで字の如く、異常に汗をかいてしまう病気です。
多汗症の症状は?
脇、手のひら、足の裏に汗をたくさんかきます。
この部分は精神的に緊張などすると、自然に汗をかく箇所でもありますが、多汗症の場合、滴るほど汗をかくこともあります。
また、全身に汗をかく症状もあり、この二つにはそれぞれ名前がついています。
- 局所性多汗症→手のひらや足の裏など、局所で汗をかく。精神的ストレスが原因の事が多い。
- 全身性多汗症→頭の上からつま先まで、全身に汗をかく。病気が原因であることも。
多汗症の原因は?何科に行けば良い?
原因はシンプルで、汗をかくことを指示する交感神経が、人より敏感ということです。
もちろん交感神経の感じ方には個人差がありますが、大きく分けると原因は2種類になります。
【生活習慣や精神的負担が原因】
カフェインやニコチンの過剰摂取、精神的なストレスや不安などを感じると、交感神経が刺激され汗をかきます。
多汗症で悩んでいる人の多くは局所性であり、原因は精神的部分だと言われています。
【病気が原因】
ホルモンバランスの乱れや婦人病、神経疾患、感染症が原因で、汗をたくさんかくこともあります。
多汗症は、美容クリニック、皮膚科で診てもらえます。
なかには多汗症専門外来もあるようなので、調べてみてはいかがでしょう。
多汗症の治療法は?
治療法は、
- 生活習慣の改善(肥満解消や食生活の見直し)
- お風呂
- 病院(カウンセリング、薬物治療、手術など)
があります。
「お風呂?」と思うかもしれませんが、入浴方法や、リラックスして入浴するなどすると、症状が改善されることもあるそうですよ。
無汗症とは?
多汗症とは真逆で、汗が出ない病気です。
無汗症の症状は?
無汗症も二つの種類に分かれます。
【限局性無汗症】
体の一部しか汗をかかないため、ほかの箇所ではかいたりします。
無汗症に気付く人もそう多くありません。
【全身性無汗症】
体全体が汗をかきません。
暑いところにいても、運動をしても、暑さは感じますが汗をかきません。
だるさを感じたり、熱中症になりやすかったりします。
無汗症の原因は?何科に行けば良い?
汗をかく働きは、中枢神経→脊髄神経→抹消神経→汗腺、と指示が出されます。
この働きのどこかに異常があると、汗をかかなくなってしまうんですね。
まずは皮膚科を受け、原因を探ってみましょう。
神経疾患に原因があったり、内科的疾患があったりと、様々な原因を皮膚科で見つけてもらう事も出来ます。
無汗症の治療法は?
残念なことに、無汗症の治療法はまだありません。
しかし、無汗症であるがゆえに発症する症状や病気、熱中症や皮膚の痛みなどは治療で予防、改善することができるので、必ず病院で診てもらってくださいね。
どんな時に病院に行けば良い?
暑がり男性の場合、暑さや汗の多さを感じたぐらいで、なかなか病院へは行かないかもしれません。
しかし、「いつもと違うな」と感じたら、すぐに病院へ行きましょう。
暑がりといっても、ただ体温が上がっているだけでなく、紹介したような病気が隠れていることもあります。
暑さの他の症状が出ている場合、すでに病気が進行している可能性もおおいにあるので、暑がりを軽く見てはいけませんよ。
暑がりが気になっている方は、
- 病気にかかっている可能性もある
- 男性だからといって恥ずかしがる必要はありません
- 病気の場合は、症状に合った病院を選びましょう
を覚えておいてくださいね。
更年期やバセドウ病など、聞いたこともある人もいるでしょう。
しかし、男性の多くは自分には関係ないと思っている人も少なくありません。
今回ご紹介した病気は、男性でも発症するものです。
放置すればするほど、症状が悪化するものもあります。
自分の体は大切に、気になることがあったらすぐに専門家に診てもらいましょう。