フィギュアスケートのジャンプの種類を解説!特徴と見分け方は?
公開日: : 最終更新日:2018/10/15
TVで羽生結弦選手が話題になると、ジャンプの「4回転」の後にトウループとか、名前みたいな単語がつけられることがありますよね。
また浅田真央選手が得意とされる「3回転アクセル」というジャンプの名前はよく聞かれると思いますが、アクセルって一体どういう意味だろうと思ったことはありませんか?
以前TVで浅田真央選手のニュースを見ている時に、子供に「3回転アクセルの、アクセルって何?」と聞かれて、私自身そういえば何だっけ?と答えられなかったことがあります。
それから焦って調べてみたのですが、実はジャンプの種類の名前だったのですね。跳び方によって6種類に分けられる、とのこと。
それからジャンプって種類ごとにどう違うのだろう…と興味がわいて、いろいろ勉強しました。今ではけっこう見分けられるようになりましたよ!時々間違えますが…。
ジャンプを見分けられるようになると、観戦が一層楽しくなりますよ!
目次
フィギュアスケートのジャンプの種類を解説
まずはフィギュアスケート靴の部分ごとの名称を簡単に説明します。
足の裏についている、鉄の板のような部品の底、氷に着く面をよく見ると、まっ平らではなく少々アーチを描いています。両サイドが刃のように鋭くなっていて、真ん中あたりはへこんでいます。
この刃の部分をエッジと呼び、外側(小指側)は「アウト(サイド)エッジ」、内側(親指側)は「イン(サイド)エッジ」とそれぞれ名前がついています。このエッジのおかげで滑らかに左右に曲がれるのです。
しかし、エッジはすり減りやすく定期的に研磨しなくてはなりません。毎日滑る人だと月に数回程度、週末だけ滑る人なら3カ月~半年に一回位です。
選手は毎日のように練習しますから月に数回、フィギュア専門の研ぎ師に頼むんだとか。
そしてつま先のギザギザがついている部分を「トウ」と呼びます。
ジャンプの為の踏み切りやスピンに入るときにトウを使います。素人が普通に滑るだけのときは、ここは危ないので使いません。
シングルのフリー用のトウは、力強くジャンプの踏み込みができるように大きくなっています。それに対して、素人用スケート靴はトウは基本的に使わないので、小さく作られているんです。
普通のスケート靴とフィギュアスケートの靴は作りがだいぶ違うのですね。スケートを滑りに行った際、リンクで借りることのできる靴は普通のスケート靴です。
運動神経とスケートに自信があっても、危険なのでジャンプを試したりしないように気を付けましょう^^;
フィギュアスケート教室などに申し込むと、エッジとトウの作りがきちんとしているフィギュア用の靴を借りられます。
フィギュアスケートのジャンプは、このアウトエッジとインエッジ、トウを使って行うのですが、これらの使い分けによって6種類に分けられるのです。
それぞれ以下の名前が付けられています。
- トウループ
- サルコウ
- ループ
- フリップ
- ルッツ
- アクセル
フィギュアスケートを見たことのある方は、きっと一度は聞いたことがあるでしょう。上の6種類の単語の組み合わせや、「〇回転、ダブル、トリプル」などが頭に付くと良く聞く技の名前になりますので、馴染みがありますよね。
種類ごとの特徴と見分け方
トウループ
右足のアウトエッジで後ろ向きに滑り、左足のトウをついて跳ぶジャンプ。一番簡単と言われているジャンプで、男子の4回転ジャンプは大抵これです。
サルコウ
左足のインエッジで後ろ向きに滑り、トウをつかず右足を前に振り上げて跳ぶジャンプ。跳ぶ瞬間、足がスキーのボーゲンのようなハの時になる、とよく言われます。しかし選手によって跳び方がけっこう違うので、もしかしたら一番見分けづらいかも知れません。
ループ
右足のアウトエッジで後ろ向きに滑り、トウをつかず跳ぶジャンプ。跳ぶ瞬間、腰が椅子に腰かけるような感じに低くなります。実際に見る感じでは、跳ぶ瞬間に足をクロスさせて座る感じになって跳ぶ、という印象を受けます。
フリップ
後ろ向きで左足のインエッジで滑り、右足のトウをついて跳ぶジャンプ。ルッツとよく似ているので見分けが難しいですが、フリップを跳ぶ前の助走は前向きの選手が多いです。跳ぶ直前にフッと後ろを向きます。「フリ向くからフリップ」と覚える方もいます。
ルッツ
左足のアウトエッジで後ろ向きに滑り、右足のトウをついて跳ぶジャンプ。ジャンプの前、他のジャンプより長めに左足で滑ってから跳び上がる選手が多いです。後は、跳ぶ直前左肩を内側にぐっと入れるというか、左肩に力が入っているイメージがします。
アクセル
唯一前向きで跳ぶジャンプ。左側のアウトエッジで滑り、トウをつかずに跳びます。踏み切る時は前向きでも、降りる時は他のジャンプと同じく後ろ向きになるので、回転数は他のジャンプより半回転多くなります。
6種類のジャンプの中で前向きに跳ぶのはアクセルだけなので、見分けは容易です。それまでどの向きで滑っていても、跳ぶ瞬間前向きになればアクセルジャンプです。
難易度と試合の得点について
それぞれのジャンプの得点は以下のようになります。
難易度は、一番上のトウループが一番簡単、以下難易度が低い順に並んでいます。最後のアクセルが一番難しいとされているジャンプです。
- 3回転トウループ 4.1 →4回転 10.3
- 3回転サルコウ 4.2 →4回転 10.5
- 3回転ループ 5.1 →4回転 12.0
- 3回転フリップ 5.3 →4回転 12.3
- 3回転ルッツ 6.0 →4回転 13.6
- 3回転アクセル 8.5 →4回転 15.0
同じ種類のジャンプでも、3回転から4回転になると点数が跳ね上がります。男子シングルで世界的選手になるためには4回転が必須と言われているのですが、その理由が分かりますね。
あの選手の得意技は?
フィギュアスケートの選手といえばまず思い浮かべるのが、国民的人気を博する2人、浅田真央選手と羽生結弦選手ですね。このお二人どちらとも、世界的に見てもトップレベルの、ジャンプが得意な選手でもあります。
浅田真央選手は女子選手の中で、試合で3回転アクセルを決められる数少ない選手のうちの一人です。女子で試合に3回転アクセルを取り入れられるのは、歴代でも浅田選手を含め6人しかいません。アクセルの得点の高さからも、試合において3回転アクセルを決められるということがどんなに強力な武器かが分かりますよね。
羽生結弦選手は4回転トウループとサルコウ、2種類の4回転ジャンプを決められることが大きな武器になっています。
世界レベルの男子選手の中で4回転ジャンプを跳べることはそう珍しいことでもありませんが、羽生選手はその中でも特に、高さと幅がありしかも形の美しいジャンプを跳ぶことができます。
優れた技にはGOEという出来映え点がプラスされるのですが、羽生選手はこのGOEが高いことが強みになっています。
ジャンプの見分け方をまとめると、このようになります。
■ 軸足(跳ぶ直前に氷に着いている足)が右足
トウループ、ループ
跳ぶ瞬間左足トウをとんっとついたらトウループ、つかないのがループ。
跳ぶ瞬間ちょっと腰が下がったらループ。
■ 軸足が左足
サルコウ、フリップ、ルッツ
跳ぶ瞬間右足トウをとんっとついたらフリップかルッツ、つかないのがサルコウ。
両足がハの字ならサルコウ、フリ向いたらフリップ、左肩がグっと入ったらルッツ。
ですが、実際の試合を見ると選手の皆さんものすごいスピードでくるくる動いていますから、よほどの動体視力が備わっていない限り跳ぶ瞬間だけで見分けるのは至難の業です。そこで、ジャンプ前の動作から種類を見分ける方法も調べました。
- 後ろ向きに滑りつつ肩越しに進行方向を確認しながらくるっと前を向いて跳ぶとアクセル
- 後ろ向き左足でツーッと滑って来て左肩に力が入ってる感じならルッツ
- 足がクロスして腰が低くなったらループ
- 前向きに滑って来て、くるっとターンして比較的すぐに上がってる左足をとんっとつくとフリップ
- 前向きに滑って来て、ターンの後に滑る足を左足から右足に踏みかえて、後ろに引いた左足をとんっとつくとトウループ
- 前向きに滑って来て、ターンして足を振り上げたらサルコウ
ジャンプを見分けられるようになるには、とにかく目を慣らすこと!お気に入りの選手の演技を何回も見て、目を養ってくださいね。そのうち何となく見分けられるようになってきますよ。