高速のチェーン規制!スタッドレスタイヤでもいいの?

公開日: : 最終更新日:2018/10/25



雪道の運転というのは気を遣います。スリップ事故を起こして自分の車だけが損傷するのは仕方ないにしても、運悪く他の車まで巻き沿いにしてしまうと大変です。ですから、いかに滑らないようにするかが課題です。

一つは運転者の問題。そしてもう一つはタイヤですね。

今はスタッドレスタイヤという優れたタイヤが開発されていますが、以前はスノータイヤと呼ばれていました。低温でも硬くなりにくいゴムでできていて、雪道でのそのグリップ力は普通タイヤより優れていましたが、雪の多い日はチェーンを装着するのが一般的でした。

そのうちに、スパイクタイヤというものが発売されるようになりました。スノータイヤに陸上スパイクのビンのようなものを打ち込んで滑らないように開発されたものです。これは画期的な商品でしたが、路面の損傷が激しく大量の粉じんが健康を害するということで禁止になりました。

チェーンにしても、金属のものからゴムや樹脂製のものなども発売されましたが、装着の面倒さはユーザーのネックでした。

そして今スタッドレスタイヤが主流ですが、これとて過信は禁物です。高速道路を走っていると雪の日によく見られるチェーン規制の表示。それを見ても、チェーンなんて持ってない、いちいち面倒だ、スタッドレスタイヤを履いているから大丈夫だろうと思う人がほとんどでしょう。

でも、本当に大丈夫なのかな?後で痛い目に遭わないためにちゃんと調べておきましょう。

高速にチェーン規制時はスタッドレスタイヤでも有効?

高雪の多い日や凍結している時に表示されるチェーン規制。その場合のスタッドレスタイヤの扱われ方ですが、そのまま走行できるケースが多いといえます。特に高速道路は除雪が行き届いているので、ほとんどがスタッドレスタイヤで走行可能です。

一般道においてチェーン規制があっても、ほとんどスタッドレスタイヤで走ることができます。

ただ、すべてスタッドレスタイヤでクリアできるわけではありません。高速道路上においても「全車両チェーン装着規制」という「冬用タイヤ規制」より厳しい規制があります。これは険しい山道、峠などチェーンがないと走れない箇所で出される規制で、チェーン装着車以外は通行禁止となります。スリップ事故防止、渋滞防止などのためにスタッドレスタイヤでもチェーンの装着を指示されることがあるのです。

なぜかといいますと”雪道を侮ることなかれ” ということに尽きると思います。

雪道には様々なコンディションがあります。降る雪の形態によっても道路状況はずいぶん違います。さらに強風が加わった場合は視界が悪く、雨を含んだ重たい雪のためにワイパーがこわれそうな場合もあります。
                       
たいていは道路管理会社のおかげで、昼夜なく安全管理されています。でも自然との闘いですし、道路の数は増える一方ですので100%網羅は不可能です。

雪道に慣れているドライバーでも恐怖な道路のコンディションは多々あります。”ま、いっか!” な軽いノリ&軽い装備で雪道に繰り出すのは危険です。

一番の安全策は雪道に自信のない方は「車で出かけない」ことがベストです(^^)

でもそういうわけにはいかないですね。望ましいのは運転の時間帯を午前10:00~4:00くらいに絞ることでしょう。

雪深い場所ならではの美しい景観。是非、行ってみたいですよね。事前のルートチェックは必須です。遠回りになってもできるだけ安全なルートを取りましょう。

スタッドレスタイヤを履いているといっても雪道において万能ではないので、念のためにチェーンを準備しておくことをおすすめします。

この”念のため”が大切です。備えあれば憂いなしです。そして、できれば一度はチェーンの着脱の練習を済ませておくといいですね。

高速道路のチェーン規制とは?

路面に積雪や凍結があると、安全走行確保のためにチェーン規制が出されます。チェーン規制とは普通タイヤで走行することを禁止するもので、その際、主駆動輪にチェーンを装着するか、前車輪に冬用タイヤを装着すれば通行可能となります。

路面の状況によっては前車輪に冬用タイヤを装着していてもチェーンを装着しなければならない場合があります。先にもお知らせした「チェーン装着車以外通行禁止」です。ですから、チェーン規制といっても場合によって違います。

冬に出かける時は、せっかく出かけたのに目的地に行けなかったということのないように、チェーンの準備はしていきましょう。

ただし積雪、凍結した路面での滑り止め防止措置については、都道府県によって若干の違いがあります。(社)日本自動車タイヤ協会のwebページにある「都道府県道路交通法施行細則及び道路交通規則における積雪・凍結時の防滑措置」一覧で確認してください。

スタッドレスタイヤ装着時の走行速度

スタッドレスタイヤ
タイヤには速度記号というものが記されています。速度記号というのは規定の条件の下でそのタイヤが走行できる最高速度を示す記号のことです。

例えば、195/60R15 88Qといったような表示があるスタッドレスタイヤだとすると、最後のQが速度記号になります。Qは時速160㎞を表します。従ってスタッドレスタイヤ装着時の走行速度は、最高でも時速160㎞を超えないようにしなければなりません。

雪道で160㎞も出すことはほとんどあり得ないので十分なのですが、最近では速度記号T(190km/h)というスタッドレスタイヤも登場してきました。

ここまでくれば普通タイヤと変わらない性能を持っているようにも感じますが、あくまで冬用のタイヤなので夏用とは違う性格のタイヤであることは忘れてはいけません。
Q規格はアイス専用で、T規格はアイスとドライの両方を追求しているタイヤなのです。

ノーマルとスタッドレスとオールシーズンタイヤ高速道路走行速度比較

チェーン
ノーマルタイヤいわゆる夏用タイヤでは、速度記号S(180km/h)やH(210km/h)が一般的です。スタッドレスタイヤの多くは速度記号Q(160km/h)です。

一方オールシーズンタイヤというカテゴリーがあります。これは、路面や気象変化の幅が広いアメリカの車に使われることが多く、アメリカではほとんどの車の標準装備になっているようです。

オールシーズンタイヤは夏の乾いた路面、砂利道、泥道のみならず雪道でも一定の性能を確保したタイヤです。でも、決して万能タイヤではありません。

ノーマルタイヤよりは雪道での制動力は高くなりますが、少なくとも冬用タイヤではないので注意が必要です。速度記号はS(180km/h)が主流です。


高速道路でチェーン規制の表示を見ると、一瞬迷うことがあります。あれ、スタッドレスタイヤは履いているけどこのまま走っていいのかな?チェーンを付けないと高速道路から追い出されてしまうのかな?

心配ご無用。ほとんどはスタッドレスタイヤのままで走行可能です。4輪全てのタイヤにスリップ防止の措置がとられている、すなわちスタッドレスタイヤを装着しているのでOKです。

ただ、まれに道路の状況によってはチェーンが装着されていないと走行できない場合もあるので、冬季に車で出かける時は、チェーンを携行した方がよいでしょう。

 

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